○○雨の季節

クセジュの日常, 未分類

(最終更新日

こんにちは!新松戸教師 英語担当の内田です!

7月に入りました。最近は梅雨で天気が悪いことが増えてきましたよね。さっきまで日が出ていたのに急に雨が降り出して、あっという間に降り止むという俄雨(にわかあめ)も多くなってきました。

ちなみにこの俄雨、英語ではなんと言うかわかりますか?
ヒントは短時間でザーッと降るということでしょうか。

正解は……

「shower(シャワー)」です。

気がついた人もいるかと思いますが、これがお風呂場で使うシャワーの語源です。
短い時間で勢いよく水が出るところから、あれを私たちは俄雨の名で呼んでいるのです。

さて、今回「shower」辞書で調べてみたら、こんな説明が載っていました。

《短時間で終わる降雨で、英国の雨にこれが多い。「夕立」もこれに入るが、「夕立」にぴったり当たる英語
の単語はない》(研究社 新英和中辞典 より)

そう、夕立をぴったりと表す英語はないんです。
外国では雨が多いシーズン(雨季)はあるものの、そうした時期を特別な名前で呼んだり、時間によって呼び分けたりすることは珍しいそうです。
逆に日本ではたくさんの呼び方がありますよね。

霧雨…霧みたいに細かい雨
時雨…降ったり止んだりするような秋から冬にかけての雨(冬の季語)
俄雨…降りだしてすぐに止む雨
村雨…俄雨と同義、南総里見八犬伝に登場する刀の名前でも有名です
春雨…春の雨
秋雨…秋の雨
五月雨…昔は陰暦5月に梅雨がきてたため、この名で呼ばれたそうです。晴れ間は五月晴れ

などが有名です。皆さんは全部読めますか?

この違いは気候の違いに関係しています。
理科や社会で習うことですが、ヨーロッパは西から吹き続ける「偏西風」という風の影響を受けます。年間を通じて吹く方向は変わらないので、気候もまた年間で安定したものになります。
一方、日本の気候を左右するのは「季節風」。名前の通りに夏は南東から、冬は北西から、季節によって吹く方向の変わる風です。そのため、季節によって気候も大きく変わるのです。

長雨は少し憂うつに感じてしまいますが、英語と日本語の違いから異文化比較の視点を持つと、『雨』に対して趣深さを感じるこのができますね。
この夏は日々の雨の違いも楽しんでみてはいかがでしょうか。