1月から開催している、中学準備講座。
今回は松葉教室から、数学の授業をお届けします。
今回のテーマは「割合」。
小学校で学習する分野のうち、躓きやすい単元の一つです。
ところが、開始早々「今日は読書王を決めます!」と担当の笠井先生。
数学の授業と聞いていたのですが……。
混乱していると、笠井先生が一人一人にこれまでに読んだことのある本の冊数を聞いていきます。
「50冊!」
「200冊!」
「90冊!」
なるほど。小学6年生にもなると、多くの本に親しんでいる子も多いようですね。
ここで笠井先生が一言。
「僕は2000冊です!」
笠井先生、大人げない……。
当然子どもたちからも、「不公平だ!」と声が上がります。
そう、小学6年生と大人とでは、当たり前ですがこれまでに読んできた冊数は違うはず。
ここである生徒から提案がありました。
「一週間あたりに読んだ本の数にしたら、公平になるんじゃないんですか?」
確かに、一週間あたり、と単位を設定すれば、読んだ本の冊数を比べるときにも公平になりますね。
数学というのは先に計算を学んで、身についたら応用の文章問題を解く、というのが文系の私のイメージでしたが、こうして身近な例があったり、なにより必要性を感じたりすると興味が湧いてきます。
今回は中学準備講座ということで、単発で参加されているお子様もいらっしゃるのですが、これで笠井先生の話に引き込まれていきます。
話は進み、人口密度や速さについて。てっきり計算練習かな? と思ったのですが、テキストには「※実際に計算する必要はありません」とあります。
どういうことなのでしょう。
先ほどの話とも関連させて、すでに知っている公式を使いながら「人口密度」や「速さ」とはそもそも何か、というところから読書量の求め方と同じで、結果的にこのような式で求められるのだ、と笠井先生の熱の入った解説が進みます。
さらに話は円周、円の面積の求め方に発展。今度は図形? と子どもたちも混乱気味ですが、小学校で習う円周率3.14も割合に関係がある、ということで、凧糸を使って実際に確かめてみます。
割合、と言うと何割、何%ということが先行して本質を見失いがちです。
円周率や速さの求め方を知っている人は多くても、円周率とは何か、速さとは何かを知らずに公式に当てはめて問題を解くのではなく、仕組みや原理原則を理解したうえで道具を使いこなす術を磨くのがクセジュの数学の授業なのだと、改めて実感させられました。
取材 : 森 大吉(講師)