クセジュレポート

クセジュの日常

(最終更新日

こんにちは。
今回の記事は「クセジュレポート」の紹介です。

「クセジュレポート」とは、毎年中1で行なっている取り組みで、生徒が自身の興味を持っている分野について調べ、まとめあげるというものです。得意教科を見つけるため、あるいはもともと得意な教科がある人はそれを更に伸ばしていくため、そして何より「深いところまで掘り下げる勉強は楽しいんだ」と思ってもらうために、クセジュでは、学年という制限を取っ払って、生徒個人の興味をとことん突き詰める、そんな試みをしてきました。

さて、今年のクセジュレポートですが、例年とは少し趣向を変えて、特別講座から興味関心を引き出していく方向性を取っていきたいと考えています。個々の興味にただフォーカスしていくだけでなく、様々な方向からの刺激を通して、結果的に自身の興味分野を見つけていけるような狙いがあります。講座は文系と理系に分かれて均等なバランスで行い、それぞれの授業を通じて、少しでも引っかかった内容を軸に興味を再発見してもらいたいと思います。あるいは、自身がもともと持っている興味分野と授業の関連性を発見してもらうことも素晴らしいと考えます。

そこで今回は、クセジュレポートで予定されている特別講座について、私が面白いと思う講座をいくつか紹介していきたいと思います。

文系:「いま世界の文学では何が起こっているのか
〜本から本へとつなげる、もう一つの読まない読書法〜」

ひとつの本をじっくりと読む読書法とは違い、本の紹介文や書評から、複数の本のテーマ上でのつながりを追っていく読書法を紹介する。現在ではAmazonなどで簡単に関連書籍を調べられ、ネット上にはプロ・アマ問わず多くの書評が寄せられている。必ずしもたくさんの本や難しい本を読まなくても、どんな本が書かれているのかを鍵にテーマについて学んでいく方法があるということを伝えたい。
実践例として「いま世界の文学では何が起こっているのか」と題し、西欧とイスラム過激派の対立という現代社会を軸に、オーウェル『1984年』→ウエルベック『服従』→サンサル『2084 世界の終わり』→アンサーリー『イスラームから見た「世界史」』→トロヤノフ『世界収集家』の5冊のテーマ的つながりを探っていく予定。

理系:「数に支配されない、数をしっかりと使える人間になろう!」

人間の感覚と、実際の確率にはかなりズレがあることをまず認識。世の中に溢れる数字にはよくよく考えると説得力があるようで、実は全く意味を成さないものがあるということ。数字のインパクトになどわされないようにするためには、しっかりと理論的に数学を学ぶ必要があること。これらのテーマを具体例を用いながら学んでいく講座

かくいう私は、「探偵小説の探偵役は、作中で与えられた情報の範囲内からしか犯人を特定することができず、作品内ではあたかも解決したように見える事件も実は描かれていない場所では解決していないのかもしれない」という切り口から、様々な社会において「当たり前」となっていることを外側から見る視点、すなわち「メタ」の視点を紹介することで、社会(世界)の捉え方を一段高める講座をしていきたいと考えております。

そんな特別講座が目白押しの中1−2学期、ぜひご期待ください!

土肥