ライスプディング

クセジュの日常

(最終更新日

こんにちは。松葉教室講師の小川です。
私が担当するテーマは「日本語圏と英語圏のちがい」についてなのですが、
食欲の秋ということで、今回は味覚について書きたいと思います。

以前、あるクラスの授業で例文に「ライスプディング」を使ったことがあります。
ライスプディングというのは、水や牛乳でお粥状にしたお米にレーズンやシナモンを添えて砂糖で甘めに味付けしたものです。
「お米を」「牛乳で」「甘く」という組み合わせがなかなか想像しづらかったようで、生徒たちは渋い顔をしていました。

主食としてのお米に慣れている私たちにとっては、牛乳と砂糖を使った甘いデザートとしてのお米の味は受け入れがたいものですが、世界には同じ素材を使っていれども全く異なる味付け、組み合わせ、調理方法をする料理も多いのです。

例えば、アメリカの子ども達が普段よく食べるPBJサンドイッチは、トーストしたパンにピーナツバター(Peanut Butter)とジャム(Jelly)を塗ってサンドしたものです。ピーナツバターとジャムって甘すぎるのでは…?それにピーナツにジャムって合うの…?と思うかもしれませんが、アメリカやカナダで売っているピーナツバターはどちらかというと塩分が効いているので、ジャムの甘酸っぱさと組み合わさると程よい味わいになるのです。

他にも、緑茶に砂糖を入れる日本人はあまり見かけませんが、海外では紅茶に砂糖を入れる感覚で緑茶にも砂糖を入れたりすることがあります。お茶の葉本来の甘みを楽しみたい私としては複雑な気持ちですが、これも飲み方の一つですね。

ついつい固定観念で美味い不味いも決めつけてしまいがちですが、そういった垣根を越えてさまざまな味に挑戦して新たな境地を開拓していくことも、世界を上手く渡り歩く秘訣かもしれませんね。

紅茶で思い出しましたが、以前‘biscuit’と‘cookie’が指すものはアメリカとイギリスでは異なるという話をしたのを覚えているでしょうか?

アメリカで‘biscuit’というとスコーンに近いものを指します。アメリカ発祥の某フライドチキンのチェーン店でもサイドメニューに「ビスケット」という商品がありますが、あれはいわゆるスコーンを指していますよね。そして‘cookie’は皆さんの想像する通りのクッキーで間違いありません。

一方のイギリスでは‘biscuit’がアメリカのクッキーに当たるものになります。では‘cookie’はというと、その‘biscuit’の中でも特にやわらかくしっとりとしたものを呼ぶこともあるそうですが、基本的には‘biscuit’がクッキーを指します。

アメリカとイギリスの間には、日本とアメリカ、日本とイギリスほどの目を引く違いはなさそうですが、実際の感覚的にはそれに負けないくらいの違いがあるのかもしれませんね。