音読の4つの効用

クセジュの日常

(最終更新日

「音読は大事」

なんとなくこの認識を持っている人が多いようですが、音読の効用を知った上で実際に取り組んでいる人は少ないように感じます。

最近は音読に関するあらゆる情報が飛び交っているので無理もないことなのですが、音読の練習法と目的は沢山あります。今回はそれを整理してみましょう。

①効用その1:ハードルを下げる
単語を覚える時も「音読」は有効です。いきなり綴りを書いて練習する人がほとんどだと思います。

これは、お勧めしません。

実は「正しくスペルを書く」というのはとてもハードル(難易度)が高いことなのです。いきなりここから始めると挫折感を味わいやすく、勉強がストップしてしまいます。そこでオススメなのが段階的にハードルを上げる単語暗記法。

(step1)英語の単語を見て日本語の意味を言えるようにする。
(step2)日本語を見て英語を発音できるようにする
(step3)日本語を見て英語のスペルを書けるようにする

この33tep方式には想像以上のメリットがあります。何より、step1,2は寝っ転がりながら、気楽にできます。気楽にできれば訓練の回数も自ずと増え、印象にも残りやすくなるのです。(10月19日の記事参照)そして「見たことある」「発音はわかる」という状態でスペルを習得したほうがぐっと難易度は下がるのです。

②効用その2:正しい文法を身につける
音読をするとき、たくさんの種類の文で練習をする生徒をたまに見かけますが、これもお勧めしません。100種類の英文を10回ずつ音読するより10種類の英文を100回ずつ音読するほうが効果的なのです。

そもそも英語の文法ルールはとても少なく、一個の英語の長文の中だけでもほとんどすべての文法が登場します。音読することによって効率良く正しい英文の型をインプットできるのです。

③効用その3:正しい発音を身につける。
正しい発音は、ごく少数のルールを身につけるだけで習得できます。その理屈は独学では学のは難しいかもしれませんが、「発音のお手本」があれば話は別です。そもそも気をつけるべきルールは少ないので、お手本の発音を真似するだけでも十分に習得できます。まずは好きな洋楽を一曲丸ごと真似して発音してみましょう。月並みではありますが、単語同士のつなげ方、発音の省略の仕方をざっくりと学べます。

④効用その4:読むスピードを測る
音読スピードと黙読スピードには相関関係があります。それなら、ただ目で追うだけになりづらい音読による訓練をお勧めします。中学生高校生に限らす英文を早く読む力が必要な人もいると思いますが、そんな人たちにオススメなのは「タイムトライアル方式音読」です。

まずは1回目の音読、読み終わるのに何秒かかったかを図ります。その後音読練習(もちろん読みながら日本語の意味がわかる状態で)最初の音読にかかった時間の2割減の時間で読み終えることができたらクリア、次の種類の文に移ります。

こうすることで読むスピードが向上しているかどうかを「見える化」できるのです。

以上です。
「音読は大事」それは間違い無いのですが、どんな狙いで音読に取り組むかはその都度確認しましょう!