鈴木久夫 LIVE配信講演会のお知らせ

220301b-9932931-8346248space-3014206-1693669佐々木:この度クセジュ前代表で現在は最高顧問の鈴木久夫先生が書籍を出版されます。本日は本の内容、出版に至る経緯などいろいろお話を聞いてみたいと思います。鈴木先生よろしくお願いします。

鈴木:よろしくお願いします。space-3014206-1693669

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佐々木:
まずは本の内容を簡単にお話していただけますか。

鈴木:端的に言うと子どもを伸ばす、子どもを自立させる理想的な親についての教育論です。ただし、堅苦しい教育論ではなく、私のクセジュでの経験的な部分、そして学術的・発達心理学的側面の両方から自由気ままに述べています。

佐々木:そういえば2年ほど前から保護者向けにオンラインで勉強会やセミナーを行っていましたが、その頃からすでに本の出版を意識していたのですか。

鈴木:どちらかというと逆ですね。この2年で7回ほど教育セミナーや勉強会をオンラインで実施しました。多くの方にご出席いただき、わかりやすかった、参考になったという、うれしいご感想をたくさんいただきました。その一方で、内容が難しかったというご意見もありました。

佐々木:具体的にはどのようなところが難しかったというご意見がありましたか。

鈴木:私の悪い癖で話がどんどん飛んでしまうところと、抽象的な話が続いたところです。例えば、仏教の唯識論を引用した部分などは独自の用語が多いこともあり、難しく感じさせてしまったのだと思います。そこであちこちに飛んでしまった話を一極集中させる、それを理想的な大人の在り方にうまく変換させるという目的で今までお話ししてきたことを一冊の本にまとめようと思いました。

佐々木:つまりこの2年間の親向けセミナーが本を出版するきっかけだったのですね。

鈴木:基本的にはそうです。もう1つはクセジュ創業者の管野淳一(現在教育研究所ARCS所長)の教育に対する考えを、いつまでもクセジュ教育の根幹に据えるためには、やはり何か書籍に残す必要があると強く感じたからです。

佐々木:管野先生の考えには私もかなり感銘を受けました。管野先生は今現在もご活躍されていますよね。むしろクセジュにいた頃よりも忙しいという噂です。space-3014206-1693669ss_taidan3e-5823962-7707774
鈴木:
『親学』や『HMC(Happy Mother Club)』という会合を開いて、精力的に活動しています。これらは、子どもの人生と自分の人生を切り離し、自分のこれからの人生を深く、楽しく考えるセミナーです。昨年半年間にわたって実施したところ、大盛況だったそうです。

佐々木:多くの親は自分のことはさておき、子どもにはより良い人生を送ってもらいたいと考えますよね。

鈴木:そうなんです。しかし、時にはその思いによって、子どもの人生をまるで自分の人生のように考えてしまい、子どものことを客観的にみられなくなってしまうのです。そのような親の姿をクセジュでもたくさん見てきました。

佐々木:確かに「自分の人生=子どもの人生」という考えに自然に陥ってしまう親の気持ちもよくわかります。加熱する“お受験ブーム”などはその典型的な例かもしれませんね。でもなぜ子どもの人生をよくすることが親の人生の中心であってはならないのですか?

鈴木:子どもの人生プランを一緒に楽しみながら考えるというスタンスならば何の問題もありません。しかしながら、親の人生観や価値観を子どもに無意識のうちに投影してしまい、気づいたら子どもが主人公ではなく親が主人公になってしまうという状況に陥るのが一番よくありません。

佐々木:子どもの自立が妨げられてしまうということですか?

鈴木:その通りです。教育の最大の目標は子どもを自立させることです。精神的な成長と自立はセットであり、例えば、塾や学校にいやいやながら通っている子ども、親や先生に言われなければ何もやらない、またはやれない子どもは精神的に自立しているとは言えません。

佐々木:確かにクセジュで多くの生徒を見てきましたが、高い学力がついている生徒は精神的に自立している子が圧倒的に多いですね。そしてそういう生徒のご家庭は子どもにほとんど干渉しなかった気がします。一方で言われなければやらない、やれない、または当事者意識が欠如している子は学力的にみても伸び悩む傾向にあります。つまり自立は子どもが高い学力をつけていくにあたって、非常に重要なポイントになりますね。

鈴木:クセジュは「学びを通して精神的な自立を促す」ことを理念の根幹に据えています。様々なテーマを深く学ぶことによって新たな視点や考えを手に入れ、それを自分なりに昇華させていくことで精神的な成長を図ることができます。そのような成長が結果として自立へとつながっていきます。space-3014206-1693669ss_taidan4-7927327-5784693
佐々木:
クセジュの国語の授業は特に顕著ですね。森鴎外の『高瀬舟』、さらにはドストエフスキーの『罪と罰』、志賀直哉の『氾の犯罪』など、死生観や倫理観について深く考える題材を数多く扱っています。理系の私が見ても興味深いものばかりです。

鈴木:こういったテーマを扱った後に、ディベートやディスカッションなどを行ったりします。それが自身の考えを相対化する絶好の機会になり、その結果さらなる精神的成長へとつながっていきます。

佐々木:ただこのような題材を扱えば自然に子どもが自立していくとなれば、話は非常に簡単です。しかし、実際の現場ではなかなかうまくいかないこともありますよね。生徒に聞いてもただ『難しかった』で終わってしまう場合もあります。だからこそ我々クセジュ講師は教科ごとにチームを組んで日々『難しいことをわかりやすく、楽しく、そして深く学べる環境づくり』にエネルギーを注いでいます。特に国語の教科指導マニュアルは毎回1冊の本になってもおかしくないくらいのボリュームですよね。

鈴木:私もマニュアルは毎回目を通していますが、クセジュ国語科のエッセンスが凝縮されています。国語という教科の重要性を毎回再認識させられます。

佐々木:少し話がそれてしまいましたので、改めて著書の話に戻してよいですか?

鈴木:はい(笑)。先ほど佐々木先生が子どもを精神的に自立させるには、教える側の努力の余地がまだまだ十分あるという話をしていました。そこに加えて、大人の在り方、とりわけ親の在り方も子どもの自立、精神的成長を促すにはとても重要です。

佐々木:親はどんな“在り方”をすれば良いのですか?

鈴木:まさに先ほど述べた管野主催のHMCに代表されるように『子どもの人生と自分の人生を切り離し、親が自分自身の人生を主体的に考える』機会を数多く作ることです。そうすると、親は子どもに“何をするのか”ではなく、自分が“どう在るべきか”を自然に考えるようになります。それが結果として子どもに伝わり、自立への大きな原動力になるのです。ちなみに私の本では、親自身の人生を子どもの人生を切り離して考えるための具体例を西洋的な視点と東洋的な視点それぞれで述べています。

佐々木:子どもに対して何をするのかではなく、どうあるべきかの方が重要ですよね。ところで鈴木先生のように30年近くクセジュで教鞭をとってくると、『理想的な親』もたくさんいたのではないですか。

鈴木:自分の親に大変失礼ですが「こういう親御さんが自分の親だったらよかったのに」とついつい考えてしまうご家庭もたくさんありました。本書には私が経験した理想的な親御さんの例をいくつか挙げています。

佐々木:これはとても楽しみです。本のタイトルを教えてください。

鈴木:『子どもを自立させる~管理しない子育て~』です。幻冬舎から出版されるのでぜひご一読いただければと思います。space-3014206-1693669ss_taidan3f-2973248-1354211
佐々木:
最後に出版にあたって苦労したこと、大変だったことを教えてください。

鈴木:出版が決まってから半年ほど、編集長やその他ライターの方々とやり取りをしました。基本的に私が原稿を書いて、それに対してインタビューを受け、ライターの方が読みやすく校正するといった流れです。それをさらに読み直して私が赤入れをするのですが、その際に校正された文章に対して『やけに繰り返しが多いな』と感じることが多かったです。

佐々木:『繰り返し=くどい』といった印象ですか?

鈴木:はい。ただ出版社のスタッフから、重要な部分は表現を変えながら何度も繰り返すことでより深く読者に伝わると言われました。私自身、セミナーや勉強会などで聞いている人に対して、一度話したら伝わっていると思い込み、そのまま次の話に進むという悪い癖がしみついていました。特に発達心理学や東洋思想といった、聞く側にとって初めて耳にする言葉がたくさんある、という自覚があまりにも足りなかったなと反省しています。これが、セミナーや勉強会を難しく感じさせてしまったもう1つの原因でしたね。

佐々木:そういう意味で、今回の本の出版は鈴木先生にとっても大きなプラスになったような感じがしますね。

鈴木:まさにその通りです。今回の出版を機に自身の今までを見つめなおす大きなきっかけになりました。

佐々木:本日はありがとうございました。この本を単なる『how to本』として捉えるのではなく、『理想的な親の像』について、私たち子どもを取り巻く大人が自ら考えるきっかけになると良いですね。

鈴木:そうですね。世の中には教育に対する『how to本』であふれていますが、無理やり自分の子どもに当てはめようとしてうまくいかないことも多々あると思います。今回の本は、読んだ方が自身のhow toを創出できるヒントになればよいかなと思っています。ありがとうございました。

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220103h-6912694-5268049※ (株)幻冬舎ゴールドオンライン「話題の本.com」著者インタビューが掲載されています。
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○ 写真は幻冬舎様よりご提供

 

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