覚えようとするから覚えられない!
本当の社会の学習法はコレ
~新松戸教室社会科の取り組みより~
まずはこの写真をご覧下さい。
「なぜスウェーデンから魅力的なものが生まれるのか」
「なぜ銚子は日本一の漁港になったのか」
「世界の災害とそこから浮かび上がる対策について」様々なテーマの題名があります。スウェーデンの魅力的なもの?中身を見てみると、確かに。私たちの身の回りにもスウェーデン由来のものが沢山あることに気づかされます。
IKEAの家具、ボルボの自動車、エリクソン社のBluetooth (このアイコン、パソコンなどで必ず見たことありますよね)など、いまやどの日本の家庭にもスウェーデン発の企業製品は1つや2つは必ずあると言っても良いほど、すでに我々の日常には欠かせない存在となっています(レポートでは最後に、あの有名な食べ物シュールストレミングもしっかり書かれていました)。さて、このレポートではスウェーデンを取り上げ、何故スウェーデンは世界的企業を多く輩出しているのか?に着目しています。
これらは夏期講習の中1で行った社会の授業のレポート課題です。クセジュ中1では夏期講習に地理を学びました。その集大成として夏休みの課題でそれぞれが興味を持ったテーマについてのレポートを書いてもらったのです。
各自のテーマを見てもなかなか独創性ある切り口のレポートが多く見られます。さらに、レポートの中身を見ても、単純に「調べる」だけのレポートではなく、統計データなどを利用しながら、自分なりの分析、結論をまとめています。
ここに社会の学力を育てる大きなポイントが隠されています。子どもたちの中にはよく、
「社会が苦手、覚えられない…」
という悩みや相談を耳にすることがあります。しかし、残念なことに社会と言う教科は、覚えようとして問題をたくさん解くことでできるようになる教科ではありません。
定期テストのためにワークで知識を一気に詰め込んだけれども、いざ中3の受験期になったときにはその知識が一切抜けていた…、そんな経験があるお父様、お母様もいらっしゃるのではないでしょうか。
結果的に社会が得意な生徒は必ず同じ共通点があります。「問題集で学力をつけているわけではない」ということです。それでは彼らは何で力をつけているのか?それは興味関心をエネルギー源にしながら、本やテレビ、あるいはインターネットなどで様々な媒体を使って調べる中から自然と知識をインプットしているのです。
興味関心の切り口は1つである必要はありません。
社会は生活に密着した教科故に、政治、経済、文化、スポーツ、食…どのテーマとも密接な関連があります。入口は各自の興味で構わないのです。
そこから掘り下げて調べ、学ぶ中で自ずと知識が関連付けられ、結果として子供たちの常識、教養が広がるわけです。その意味で、今回の夏の取り組みの生徒たちの力作を見ると、彼らにとっては社会という教科の学力向上という意味でも有意義な夏休みになったはずです。
佐々木 多門