中1イベント報告
ChatGPTを使って、AIと一緒に自分の未来を作る
私は将来、どんな仕事につくのだろう?
子どもたちがそう考えるときの「将来」は、今とは大きく異なっているかもしれません。
今の日本にある仕事のうち49%は、AIやロボットによって自動化されて無くなってしまうかも…という予想があります。もし本当にそんな未来がやってきたら、働き方はどう変わっていくのでしょう。
自分の「好き」や「やりたい」は意味を持つのでしょうか。こうした未来の可能性を探るため、クセジュでは
「中1ウィンタースクール 未来のジブンの旗を打ち立てる生成AI×セルフブランディング」
を12月29日・30日に行いました。
今回はこのワークショップイベントをレポートします。○ AIには何ができるのか?このイベントではいま話題のAIチャットサービス「ChatGPT」を使いながら、自分の「好き」や「得意」、「将来の目標」を深掘りし、
さらに自分の「理想の将来像」を表すオリジナルロゴ入り名刺を作ることがゴールになりました。
各教室から集まった中1の生徒たちは5つのチームに分けられ、いつもとは違う雰囲気にワクワク・ソワソワ気味です。
まずはゲスト講師であるデザイナーの川合啓介さんから、今回の趣旨とデザイン思考についてトークがありました。
川合さんは、ChatGPTで使われている「ディープラーニング」の仕組みを説明しつつ、いま使われているAIは発展途上で使用にはいくつかの注意点があるという点を指摘します。
そのうえで、AIには何ができるのかを探るため、実際にChatGPTを操作してみました。
行うのは、オリジナルアプリ作りです。
ChatGPTとやりとりをしながら、目的に合わせたアドバイスをしてくれる生成AIアプリを作成します。
「地域の美味しいお店を紹介してくれるアプリ」「今日の髪型をお勧めしてくれるアプリ」など個性豊かなアプリができていくなか、
あるチームが作ったのは「学習サポーターアプリ」。
中学生の悩みでもある「どうすれば継続して学習できるのか」といったような相談に対して、しっかりと返答してくれます。
爆笑が起こったのは、「語尾にニャンをつけて下さい」という指示を出したときです。
しっかりとそれに応えて、最後には絵文字までつけてくれるAIの「神対応」に、笑いと同時にAIの性能への驚愕の声も上がりました。○ ジブンには何ができるのか?
このイベントのもうひとつの柱は、自分自身について分析し、ワクワクする「理想の将来像」をイメージすること。
画像生AIを使ってジブンロゴを作るため、AIに指示するときのレシピを作成していきます。
とはいえ、「あなたはどんな人?」と聞かれても、答えるのはなかなか難しいですよね。
今回は企業などで使われる「ブランディング」の考え方を取り入れて、レクチャーとワークを繰り返しながら行いました。
はじめは「自分を動物に例えるなら?」「自分を道具に例えるなら?」というイメージ化ワーク。
自分のアイデアは付箋に書いてペタペタと貼っていきます。
チーム間での会話も活発になってきました。
続けて自分の好きなこと、達成感を得た瞬間を思い出しながら、さらに付箋をペタペタ。
次第に机や壁も付箋で埋まっていくにつれて、意識していなかった自分のアピールポイントが見えていきます。
いよいよ、次のステップはAI×セルフブランディング。
ここまで作ってきたジブンロゴのレシピをChatGPT連動の画像生成AIに指示し、オリジナルのロゴデザインを作ってもらいます。
完成!かっこいい名刺に仕上がりました。
名刺にはジブンロゴだけでなく、未来の自分の肩書きやその説明、活躍イメージ画像まで入っています。
それらは全て、ジブンロゴレシピをもとにしてAIが作ってくれたもの。
並んだ肩書きは「海洋環境研究者」「森林共生デザイナー」といった近未来を感じさせるものから、「ドリームアクション・プランナー」という今はまだないワクワクを感じさせてくれるもの、スポーツと思考を融合させた「コートの哲学者」、そして「旋律の革命家」まで多種多様!
自分の「将来の理想像」がグッと具体的になって、名刺を手にした生徒たちからは歓声が上がりました。
そして生徒たちは自分の名刺を見せ合いながら、チーム間をウロウロ。チームを超えた空間全体の一体感も出てきましたね。○ AIはすごい、でもそれを動かすのは人間の「こうしたい」という気持ち
イベントの最後は各チームからの発表です。
名刺に込めた意図、自分は将来何をしたいのか、そして作成した自分の未来年表について代表者がプレゼンしていきます。
発表準備はチーム全体で協力。リアリティを持って自分の未来を考えることに苦戦しつつも、
それぞれの未来をプレゼンする生徒たちの目はどこかキラキラとしています。
チームの発表も個性豊かです。あるチームでは、プレゼンのキーワードをメンバーがフリップで見せていました。
またあるチームではインタビュー形式を採用、メンバーの質問に対して代表者が答える形で発表をしていました。
実は、講師にとってこれほどの工夫は嬉しい予想外。
生徒たち同士で「もっとメンバーで協力できることはないか」「もっと聞く人の注目を集められないか」と議論しながら、
最後までプレゼンのクオリティを上げようとする姿も見られました。
ここまで自分たちの個性について考えてきた成果が、まさにここへと繋がっているような印象を受けました。イベントの最後、川合さんからは「AIはすごいが、自分の意思で行動するわけではない。AIを動かすのは、人間の『こうしたい』という気持ち」という言葉がありました。まさに今回のイベントを総括する言葉だと思います。
AIの脅威が議論される昨今ですが、未来を本当に変えるのは「理想の将来像」を思い描く人間の夢の力なのですね!
江戸川台教室
教室責任者 濱中 志門