241213
中学受験を考えている人のための冬休み活用法 ②
冬休みが近づいてくると、「そろそろ次の学年に向けて何か準備をしないと…」と思い始めるお母さんやお父さんも多くなってくると思います。
特にお子さまが低学年の場合は、余計に「受験勉強を始めるタイミング」で悩む方が多いのではないでしょうか。
そこで、学年ごとに中学受験に向けてどんなふうに冬休みを活用したらいいのかについてお話していこうと思います。
第二回目は、そろそろ受験を考えた方がいいのかな? と思い始める小学校4年生(新小学5年生)の勉強についてお話したいと思います。
小学校4年生(新小学5年生)の冬休み活用ポイント
「“できないこと”よりも“できること・好きなこと”に目を向ける」
① 好きな勉強、得意な分野にどんどん取り組んでもらう
5年生になるとどの塾でも本格的な「受験モード」に入ります。
というのも、中学受験、特に4教科を使う場合にはそれなりの学習量が必要となります。
そのため、5年生から入試で出題される範囲を扱っていけば、どんなペースの子どもでも何とか入試に間に合うと考えられています。
こんなことを書くと尚更、「やっぱり早く始めなきゃ!」と思うかもしれません。
でも、決して焦ってはいけません。
塾に行くと、当たり前ですが「できている所」と「できていない所」が明確になります。
親としては「できていない所」が目についてしまいます。
しかし、必要以上に「できていない所」ばかりに目を向けてしまうとどんなことが起こるのか。
それは、「勉強が嫌になってしまう」、さらに最悪な場合には「自己肯定感が下がってしまう」ということが起こります。
正直、本当に行きたい学校が明確になり、子どもが自らがんばろうという気持ちになれば、自然とできていない所も何とかしようという気持ちになります。
それまでは、好きな分野やよくできている分野をとことんやらせて構いません。
むしろ、6年生になった時に得意分野がある生徒の方が、受験で有利に戦えることが多いのです。
しかも、得意なことや好きなことをどんどん伸ばすと、自己肯定感のアップにもつながります。② できないことやわからないことと向き合う機会を作る
受験勉強に限らず、何かを学ぼうと思ったときには必ず「できないこと」「分からないこと」にぶつかります。
中学受験の勉強をしていく中でよくあるのが、・子どもが「わからない」「できない」と言って投げ出してしまう
・親ができない所ばかりを指摘してしまい、子どもがやる気をなくす
・できないところをやらせようとするあまりに、親子関係が悪くなるといったことです。
できないところや苦手なところと向き合うのは、大人でも難しい時があります。
また、親子だからこそうまくいかないこともあります。
だからといって、いつまでも苦手なまま、できないままでは入試は突破できません。そこで大切なのは「レジリエンス」を育むことです。
「レジリエンス」とは「困難な状況や逆境に対して、しなやかに適応したり、乗り越えたりする力」のことです。
成績が伸びている生徒の多くは、この「レジリエンス」が身についていることが多いです。
では、どのようにしてそれを身につければいいのか。
そのためには「心理的安全性」が必要です。
「心理的安全性」を与えるためには、・どんな時も受け入れてもらえるという安心感
・自分が尊重されているという実感
・失敗してもいい、間違えてもいいと思える環境や状況がある
という3つの要素が必要です。
勉強にかかわらず、このようなことを家庭で意識すると子どもに良い影響があります。
子どもが安心して間違えられる状況を作った上で、できないことや苦手なことに対して、子どもと一緒にじっくり向きあう、一緒に取り組む時間を作っていくことで、だんだんと「レジリエンス」は育っていきます。そうはいっても、家で親がじっくり…というのはなかなか難しいかもしれません。
そんな時は、塾の先生などの第三者に任せるのも一つの手段です。
家では安心して好きなことに取り組み、塾では先生のサポートを受けながら苦手なこととじっくり向き合っていく、そんな役割分担ができると結果として得意も苦手も伸びていきます
③ 深く掘り下げて学ぶことの面白さを実感してもらう
東葛飾中やいわゆる難関校と呼ばれる中学の入試問題は、当然ですが難しいです。
しかし、昔のような「難問・奇問」は大幅に減りました。
むしろ、問題のテーマが興味深かったり、問題解くプロセスが面白いと感じられたりする問題が増えています。
しかし、多くの受験生がその問題を「解き方の丸暗記」でクリアしようとしています。
受験の直前期であれば、ある程度は仕方のないことかもしれません。
ただ、難関校に合格している生徒の多くは「入試問題を楽しんでいる」傾向があります。
入試問題として出会ったものから、新しい学びを得られるのが楽しいと思える生徒は、勉強を勉強と思っていないことが多いです。
そんな感覚を5年生の間に養うことが大事だと思います。
前述の通り、5年生になると学習する内容は多岐にわたり、難しくなります。
だからこそ、それを楽しめる環境を作ることが大事です。
そして、この「楽しい」という感覚は、他者から影響を受けることで身につく場合もあります。
それこそ、授業が面白い先生や勉強を楽しんでいる周りの友だちの影響で、「楽しさの感覚」を持てるようになった子もたくさんいます。
もちろん、家庭でも世の中のニュースについて子どもと話をしたり、旅先で歴史的な史跡を訪ねてみたりすることで、「何かわからないけど、難しそうで面白い」という感覚を養う機会は作れます。
こんな風にして、「ちょっと難しいこと」に触れる楽しさを知ってもらうことも、6年生になった時の大きな力となります。今回も長々と書いてしまいましたが、冬休みは塾に通ってみようかな、と思っている方が見るべきポイントは、基本的には他の学年の生徒と同じです。・通いやすさ(日程、時間、距離、送り迎えなども含めて)
・授業の内容(学校や家ではなかなか学べない内容になっているか)
・塾の雰囲気(先生の雰囲気が明るいか、先生と生徒がコミュニケーションをとっているか、など)この3つをポイントとして考えると良いと思います。
まずは実際に気になる塾に足を運んでみることが大事です。
また、冬期講習を無料で受講できる塾もたくさんあります。
ただし、無料体験はあくまでも「体験」ですから、実際に通い始めたときと多少の違い(先生や授業の内容などに)があるかもしれない、ということは頭に入れておいた方が良いと思います。
それであれば、「体験」という形ではなく、まずは冬期講習だけ通ってみる、というのも一つの方法です。
無料体験をやっていない塾の多くは、普段通っているお子さん向けに冬期講習の授業と講師を設定しています。
そのため、正式に入塾した後もそれほど大きなギャップを感じないことが多いです。
そろそろ本格的に受験勉強を始めないと…と思っている時期だからこそ、子どもが安心して良いところもダメなところもオープンにできる環境がるかどうかを見た方が良いと思います。
さらに、一人ひとりの子ども(自分の子ども)と向き合い、付き合ってくれるかどうかも5年生の学習においては重要です。
まずは、いろいろな塾でいろいろな先生と話をしてみるのも良いと思います。中学受験コース担当
宮崎和基● 中学受験コース詳細
▶︎ コチラ● 中学受験コース・コンシェルジュブログ
▶︎ コチラ 241109
中学受験を考えている人のための冬休み活用法 ①
冬休みが近づいてくると、「そろそろ次の学年に向けて何か準備をしないと…」と思い始めるお母さんやお父さんも多くなってくると思います。
特にお子さまが低学年の場合は、余計に「受験勉強を始めるタイミング」で悩む方が多いのではないでしょうか。
そこで、今回は学年ごとに中学受験に向けてどんなふうに冬休みを活用したらいいのかについてお話していこうと思います。
第一回目は、まだ受験勉強は早いのかな、でももう始めた方がいいのかな、とお母さんやお父さんも悩みがちな小学校3年生です。小学校3年生の冬休み活用ポイント
「基本的な学習習慣と勉強の取り組み方を身につける」
① 勉強のスケジュールは「楽しいこと」とセットで決める
多くの塾は小4から本格的に中学受験の学習内容に入ることが多いです。
小学校3年生のうちは、基本的な学習習慣と勉強の取り組み方を身につける期間に充てるのが良いと思います。
まずは、毎日少しでも構わないので机に向かう習慣をつけることです。
また、毎日同じ時間ではなくても構いません。
1週間のスケジュールと照らし合わせながら、「〇曜日は△時から勉強しよう」といった感じで親子でスケジュールを決めてみてください。
ここで重要なのは、好きなことをする時間も含めて勉強する時間を決めることです。② 「自分に合ったやり方で練習をしたら身につくんだ」という感覚を手に入れる
中学受験では、国語の漢字や理科・社会の用語など、覚えなければいけないものがそれなりにあります。
また、ほとんどの学校で算数の計算問題が出題されますから、素早く正確に計算ができるようになる必要もあります。
これらの学習項目は、繰り返し練習をすることで身につきます。
学校でも漢字練習をしているから大丈夫なんじゃないの…と思ってはいけません。
多くの生徒がぶつかる壁が「反復練習」の壁なのです。
どれくらい練習をすればできるようになるのか、それは学習内容によって、人によって大きく違います。③ 学力をつけるための「ノートの取り方」「授業の受け方」をまずはやってみる
塾で授業をしている時の「あるある」ですが、子どもたちから「先生、それノートに書きますか?」と聞かれることがあります。
こうやって聞いてくれるだけならまだ良いのですが、中にはノートをとること自体をしない子もいます。
まずは、しっかりとノートをとってそれを家で見返してみる、という習慣をつけるだけでも学習効果は高まります。
ノートの使い方や活用法はいろいろな方法がありますが、まずは「先生が板書したことを、しっかりとノートをとる」ことができるようになれば十分です。
また、授業の受け方も工夫できるポイントです。
先生の話を聞く、自分なりに考えてみる、ノートをとる、といったことを、うまくできなくても良いのでまずはやってみることが、次の学年の学習につながります冬休みは塾に通ってみようかな、と思っている方は
・通いやすさ(日程、時間、距離、送り迎えなども含めて)
・授業の内容(学校や家ではなかなか学べない内容になっているか)
・塾の雰囲気(先生の雰囲気が明るいか、先生と生徒がコミュニケーションをとっているか、など)
この3つをポイントとして考えると良いと思います。
まずは実際に気になる塾に足を運んでみることが大事です。
また、冬期講習を無料で受講できる塾もたくさんあります。
ただし、無料体験はあくまでも「体験」ですから、実際に通い始めたときと多少の違い(先生や授業の内容などに)があるかもしれない、ということは頭に入れておいた方が良いと思います。
それであれば、「体験」という形ではなく、まずは冬期講習だけ通ってみる、というのも一つの方法です。
無料体験をやっていない塾の多くは、普段通っているお子さん向けに冬期講習の授業と講師を設定しています。
そのため、正式に入塾した後もそれほど大きなギャップを感じないことが多いです。受験勉強を本格的に始めるまでに、まだ少し時間があります。
「ダメだったら次!」ぐらいの気持ちでいろいろな環境を見てみるのもよいと思います。中学受験コース担当
宮崎和基● 中学受験コース詳細
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中学受験の学校選びってどうすればいいの?
中学受験は「この学校に行きたい!」学校があるからするもの、というイメージがあります。
しかし、今はたくさんの学校があり、その特徴も学校によって大きく異なります。
そのため最近は「明確な志望校は決まっていないけれど受験をしてみたい」と考える家庭も増えてきました。
そのような意味で中学受験はいまや特別なものではなくなってきています。
だからこそ悩むのが、どんな学校を選べばよいか、ということです。
そこで今回は、いくつかの視点から学校選びについて考えてみたいと思います。■ 大学附属の人気が急上昇!でも、気をつけなければならないポイントも…
ここ数年、大学附属の中学校の人気が急上昇しています。
早慶の附属は依然として人気がありますが、現在はGMARCH(学習院・明治・青山学院・立教・中央・法政)に進学できる学校の注目度が高くなっています。
大学附属校が注目された背景には、① 私立大学の入学定員をやみくもに増やせなくなったため、合格者数が絞られるようになってきたこと
② 大学入試改革によって、入試制度の変化に対する不安が高まったことが挙げられます。
確かに、大学までの進学が約束されれば、受験勉強に追われることなく好きなことに時間を割くことができます。
そのような意味では、好きなこと、やりたいことが明確なお子さんは大学附属を考えても良いと思います。
一方で、子どものやりたいことが決まっていない中で、「とりあえず大学に行ける」ことを目的に大学附属に進学すると、どこかのタイミングで「思っていたのと違う」となる可能性もあります。
親の不安だけで「とりあえず大学に行ければいい」という学校選びは、あまりお勧めできません。■ 大学の進学実績は「数」よりも「方法」に注目する
中高一貫校に進学する目的として、大学入試で希望の学校に進学してもらいたい、ということを挙げる方も多いと思います。
現在の大学入試は推薦入試(総合型選抜)の割合が増えてきているとはいえ、難関大の多くは従来通りの一般入試を採用しています。
中高で高い学力をつけて大学に進学することは、大学に入ってからの学びにも当然、役立ちます。
ここで気をつけなければならないのは、どのようなやり方で子どもたちの学力をつけているのか、ということです。
一口で進学校と言っても、① 生徒の主体性にすべて委ねる学校
② 先生がしっかりとレールを敷いてあげる学校
③ 生徒の主体性を尊重しながら、先生がサポートする学校といったふうに、子どもたちの導き方が全く違います。
① のような学校は、レベルの高い進学校に多いです。通っている生徒たちのレベルも、意識も高いため、学校側がそれほど言わなくてもお互いに刺激し合い、大学に合格していきます。
② の学校はとにかく学校側が提示した課題や授業をクリアしていけば、高い学力がつき大学に合格できる、という学校です。
どちらかというと、「言われたことはしっかりとやる」タイプのお子さんはこのような学校を選ぶのも1つの方法だと思います。
③ の学校は子どもの意思を尊重し、それを先生がサポートすることで高い学力を身につけて大学に合格する、問い学校です。人にあれこれ言われるよりも、自分で決めてやりたい、というタイプのお子さんに向いているかもしれません。
こんなふうに、大学進学に力を入れている学校でも、子どものタイプを踏まえて考えていくのが良いのではないかと思います。■「何を体験できるのか」という付加価値も視点の1つ
ここ数年で増えてきているのが、「そこでしかできない体験」が魅力の学校です。
理系の教育に力を入れる学校、英語を中心とした国際教育に力を入れる学校、IT教育やSTEAM教育に力を入れている学校など、さまざまな学校があります。
どの学校も独自の教育、独自の企画に力を入れているため、とても魅力的に感じます。
まだやりたいことが決まっていないお子さんや、いろいろな体験をするのが好きなお子さんなどには向いているのではないかと思います。
また、6年間で興味のあることを見つけ、とことん学んでいくことは、先ほど話題に挙げた推薦入試(総合型選抜)による大学合格に結びつく場合もあります。
ただし、このような学校は必ずしも難関大学や有名大学の進学実績が高いとは限りません。
偏差値や進学実績だけにとらわれず、「どのような環境で思春期の6年間を過ごしてもらうのか」も学校選びの重要な視点になります。_
そのためには、「今この瞬間の子どもの様子」だけを見るのではなく、「これから成長していくであろう子どもの姿」を見据えることが大事です。今は、どの学校もホームページの情報が充実しています。
まずは通学時間1時間以内、電車の乗り換え1回、ぐらいを目安にいろいろな学校を見てみると良いと思います。
偏差値の高さや、ブランド、進学実績だけで学校選びをする時代ではなくなっています。
「どこの学校が良いか」よりも、「どんな環境が向いているか」を学校や塾の先生に聞いてみるのも、1つの参考になると思います。中学受験コース担当
宮崎和基● 中学受験コース詳細
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中学受験の勉強はいつから始めればいいの?
2024年の1都3県における中学受験率は18.12%(首都圏模試センターによる)でした。これは過去最高の受験率だったそうです。
ちなみに、千葉県内の私立中学に進学した生徒の割合は7%程度となっています。
しかし、都内も含めた他都県へのアクセスが良い千葉県東葛エリアに限定すると、公立中学校以外の中学校に進学した生徒はもっと多いため、受験率も高くなっているはずです。
特に人口の増加が著しい柏・流山エリアでは、同じ学区内での小6生徒数と中1生徒数に大きな差がある(学区内の中学に進学していない生徒が多数いる)学校も珍しくありません。そのような中で、ここ数年、中学受験を考える家庭が増えてきました。
今回は、中学受験を考えているお母さん、お父さんの悩みの1つである「いつから中学受験を始めたらいいのか」について、書いていこうと思います。■ 多くの塾では「スパイラル学習」のカリキュラムを採用している
「いつから」の話の前に、中学受験の塾ではどんなカリキュラムで授業が行われているかに触れていこうと思います。
多くの塾が、いわゆる「スパイラル学習」という形でカリキュラムを作成しています。
「スパイラス学習」では、授業と家庭学習によって学んだ単元が、時間をおいて忘れかけたころに、異なる視点で、少し掘り下げた形で再び出てきます。
だいたい小4~小6の3年間で同じ単元が繰り返し登場し、学年が上がるごとに内容は難しくなっていく、というカリキュラムを採用している塾がほとんどです。
この「スパイラル学習」のカリキュラムの特性を踏まえて、いつから受験勉強を始めればいいのかを考えてみましょう。■ マイペースな子は早めのスタートでゆっくり定着
子どもの性格によっても受験勉強の始め方は変わってきます。
マイペースなお子さん、ゆっくり、じっくりやった方が成果が出そうなお子さんは、小学校4年生あたりから受験勉強を始めるのも一つの選択肢です。
前述のカリキュラムの特性を踏まえると、どこの塾でも4年生でやった内容が5年生で形を変えてもう一度で出てきます。
さらに、6年生になると5年生までの復習を扱う機会も増えますし、入試問題演習でさらに復習の機会が出てきます。
同じ内容をくり返し学ぶ機会を多くする、ということを重視した方が良いお子さんは早めのスタートを考えても良いと思います。■ 中学入試の問題は5年生・6年生で学習した内容がほとんど
ここまで、早く塾に通うことのメリットについて書きました。
一方で、長く塾に通うことで緊張感がなくなってしまったり、中には同じ内容を繰り返すことで飽きてしまったりするお子さんもいます。
入試問題を解けるようになる、とうことだけを考えれば、小学5年生からスタートすれば、受験に必要な知識は十分に学ぶことができます。
新しいことを知るのが好きなお子さん、短期集中でやる方が向いているお子さんは5年生のどこかでスターをきるのが良いかもしれません。
また、子どもの立ちの内的成長という視点でも、抽象化する力が出てくる小学校高学年の方が受験勉強に取り組みやすいと思います
できるだけ効率よく塾を活用して受験をしたい、といことであれば小学5年生のどこかのタイミングでスタートしてみるのも良いのではないでしょうか。■ 前向きな「撤退」はマイナスではない
中学受験をするかどうかの悩みの中には、「始めたらもう後戻りはできない」と思っているお母さん、お父さんも多いと思います。
しかし、子どもの成長は大人が予想できない部分も多いです。
受験に向けた勉強をしていく中で、「うちの子には中学受験に時期尚早だったかも…」と思うこともあるかもしれません、
そんな時、真面目な親ほど「せっかく塾にも入って、テキストも買ったし、最後まで頑張らせないといけない」と思いがちです。
しかし、中学受験で一番よくない結果は何かというと、「勉強が嫌いになること」です。
もっと言えば、「自己肯定感が下がってしまうこと」です。
受験をする、受験をしないは置いておいて、小学生のうちは子どもが楽しく勉強に取り組める環境を用意することが重要です。
状況によっては、お母さん、お父さんが勇気を持って中学受験から「撤退」することも頭に入れておいた方が良いと思います。
いろいろと書きましたが、子どもたちにとって中学受験をするということがポジティブな経験になると良いなと思っています。
普段、塾に通っていないお子さんは、長期の休みに実施される講習などを活用してみるのも一つの方法だと思います。
親もあまり構えずに、中学受験の勉強が子どもたちに新しい世界、楽しい学びと出会うきっかけになればいいか、ぐらいの気持ちで初めて良いと思います。次回は学校選びについて書いていこうと思っています。中学受験コース担当
宮崎和基● 中学受験コース詳細
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中学受験を考えている人のための冬休み活用法 ②
冬休みが近づいてくると、「そろそろ次の学年に向けて何か準備をしないと…」と思い始めるお母さんやお父さんも多くなってくると思います。
特にお子さまが低学年の場合は、余計に「受験勉強を始めるタイミング」で悩む方が多いのではないでしょうか。
そこで、学年ごとに中学受験に向けてどんなふうに冬休みを活用したらいいのかについてお話していこうと思います。
第二回目は、そろそろ受験を考えた方がいいのかな? と思い始める小学校4年生(新小学5年生)の勉強についてお話したいと思います。
小学校4年生(新小学5年生)の冬休み活用ポイント
「“できないこと”よりも“できること・好きなこと”に目を向ける」
① 好きな勉強、得意な分野にどんどん取り組んでもらう
5年生になるとどの塾でも本格的な「受験モード」に入ります。
というのも、中学受験、特に4教科を使う場合にはそれなりの学習量が必要となります。
そのため、5年生から入試で出題される範囲を扱っていけば、どんなペースの子どもでも何とか入試に間に合うと考えられています。
こんなことを書くと尚更、「やっぱり早く始めなきゃ!」と思うかもしれません。
でも、決して焦ってはいけません。
塾に行くと、当たり前ですが「できている所」と「できていない所」が明確になります。
親としては「できていない所」が目についてしまいます。
しかし、必要以上に「できていない所」ばかりに目を向けてしまうとどんなことが起こるのか。
それは、「勉強が嫌になってしまう」、さらに最悪な場合には「自己肯定感が下がってしまう」ということが起こります。
正直、本当に行きたい学校が明確になり、子どもが自らがんばろうという気持ちになれば、自然とできていない所も何とかしようという気持ちになります。
それまでは、好きな分野やよくできている分野をとことんやらせて構いません。
むしろ、6年生になった時に得意分野がある生徒の方が、受験で有利に戦えることが多いのです。
しかも、得意なことや好きなことをどんどん伸ばすと、自己肯定感のアップにもつながります。② できないことやわからないことと向き合う機会を作る
受験勉強に限らず、何かを学ぼうと思ったときには必ず「できないこと」「分からないこと」にぶつかります。
中学受験の勉強をしていく中でよくあるのが、・子どもが「わからない」「できない」と言って投げ出してしまう
・親ができない所ばかりを指摘してしまい、子どもがやる気をなくす
・できないところをやらせようとするあまりに、親子関係が悪くなるといったことです。
できないところや苦手なところと向き合うのは、大人でも難しい時があります。
また、親子だからこそうまくいかないこともあります。
だからといって、いつまでも苦手なまま、できないままでは入試は突破できません。そこで大切なのは「レジリエンス」を育むことです。
「レジリエンス」とは「困難な状況や逆境に対して、しなやかに適応したり、乗り越えたりする力」のことです。
成績が伸びている生徒の多くは、この「レジリエンス」が身についていることが多いです。
では、どのようにしてそれを身につければいいのか。
そのためには「心理的安全性」が必要です。
「心理的安全性」を与えるためには、・どんな時も受け入れてもらえるという安心感
・自分が尊重されているという実感
・失敗してもいい、間違えてもいいと思える環境や状況がある
という3つの要素が必要です。
勉強にかかわらず、このようなことを家庭で意識すると子どもに良い影響があります。
子どもが安心して間違えられる状況を作った上で、できないことや苦手なことに対して、子どもと一緒にじっくり向きあう、一緒に取り組む時間を作っていくことで、だんだんと「レジリエンス」は育っていきます。そうはいっても、家で親がじっくり…というのはなかなか難しいかもしれません。
そんな時は、塾の先生などの第三者に任せるのも一つの手段です。
家では安心して好きなことに取り組み、塾では先生のサポートを受けながら苦手なこととじっくり向き合っていく、そんな役割分担ができると結果として得意も苦手も伸びていきます
③ 深く掘り下げて学ぶことの面白さを実感してもらう
東葛飾中やいわゆる難関校と呼ばれる中学の入試問題は、当然ですが難しいです。
しかし、昔のような「難問・奇問」は大幅に減りました。
むしろ、問題のテーマが興味深かったり、問題解くプロセスが面白いと感じられたりする問題が増えています。
しかし、多くの受験生がその問題を「解き方の丸暗記」でクリアしようとしています。
受験の直前期であれば、ある程度は仕方のないことかもしれません。
ただ、難関校に合格している生徒の多くは「入試問題を楽しんでいる」傾向があります。
入試問題として出会ったものから、新しい学びを得られるのが楽しいと思える生徒は、勉強を勉強と思っていないことが多いです。
そんな感覚を5年生の間に養うことが大事だと思います。
前述の通り、5年生になると学習する内容は多岐にわたり、難しくなります。
だからこそ、それを楽しめる環境を作ることが大事です。
そして、この「楽しい」という感覚は、他者から影響を受けることで身につく場合もあります。
それこそ、授業が面白い先生や勉強を楽しんでいる周りの友だちの影響で、「楽しさの感覚」を持てるようになった子もたくさんいます。
もちろん、家庭でも世の中のニュースについて子どもと話をしたり、旅先で歴史的な史跡を訪ねてみたりすることで、「何かわからないけど、難しそうで面白い」という感覚を養う機会は作れます。
こんな風にして、「ちょっと難しいこと」に触れる楽しさを知ってもらうことも、6年生になった時の大きな力となります。今回も長々と書いてしまいましたが、冬休みは塾に通ってみようかな、と思っている方が見るべきポイントは、基本的には他の学年の生徒と同じです。・通いやすさ(日程、時間、距離、送り迎えなども含めて)
・授業の内容(学校や家ではなかなか学べない内容になっているか)
・塾の雰囲気(先生の雰囲気が明るいか、先生と生徒がコミュニケーションをとっているか、など)この3つをポイントとして考えると良いと思います。
まずは実際に気になる塾に足を運んでみることが大事です。
また、冬期講習を無料で受講できる塾もたくさんあります。
ただし、無料体験はあくまでも「体験」ですから、実際に通い始めたときと多少の違い(先生や授業の内容などに)があるかもしれない、ということは頭に入れておいた方が良いと思います。
それであれば、「体験」という形ではなく、まずは冬期講習だけ通ってみる、というのも一つの方法です。
無料体験をやっていない塾の多くは、普段通っているお子さん向けに冬期講習の授業と講師を設定しています。
そのため、正式に入塾した後もそれほど大きなギャップを感じないことが多いです。
そろそろ本格的に受験勉強を始めないと…と思っている時期だからこそ、子どもが安心して良いところもダメなところもオープンにできる環境がるかどうかを見た方が良いと思います。
さらに、一人ひとりの子ども(自分の子ども)と向き合い、付き合ってくれるかどうかも5年生の学習においては重要です。
まずは、いろいろな塾でいろいろな先生と話をしてみるのも良いと思います。中学受験コース担当
宮崎和基● 中学受験コース詳細
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中学受験を考えている人のための冬休み活用法 ①
冬休みが近づいてくると、「そろそろ次の学年に向けて何か準備をしないと…」と思い始めるお母さんやお父さんも多くなってくると思います。
特にお子さまが低学年の場合は、余計に「受験勉強を始めるタイミング」で悩む方が多いのではないでしょうか。
そこで、今回は学年ごとに中学受験に向けてどんなふうに冬休みを活用したらいいのかについてお話していこうと思います。
第一回目は、まだ受験勉強は早いのかな、でももう始めた方がいいのかな、とお母さんやお父さんも悩みがちな小学校3年生です。小学校3年生の冬休み活用ポイント
「基本的な学習習慣と勉強の取り組み方を身につける」
① 勉強のスケジュールは「楽しいこと」とセットで決める
多くの塾は小4から本格的に中学受験の学習内容に入ることが多いです。
小学校3年生のうちは、基本的な学習習慣と勉強の取り組み方を身につける期間に充てるのが良いと思います。
まずは、毎日少しでも構わないので机に向かう習慣をつけることです。
また、毎日同じ時間ではなくても構いません。
1週間のスケジュールと照らし合わせながら、「〇曜日は△時から勉強しよう」といった感じで親子でスケジュールを決めてみてください。
ここで重要なのは、好きなことをする時間も含めて勉強する時間を決めることです。② 「自分に合ったやり方で練習をしたら身につくんだ」という感覚を手に入れる
中学受験では、国語の漢字や理科・社会の用語など、覚えなければいけないものがそれなりにあります。
また、ほとんどの学校で算数の計算問題が出題されますから、素早く正確に計算ができるようになる必要もあります。
これらの学習項目は、繰り返し練習をすることで身につきます。
学校でも漢字練習をしているから大丈夫なんじゃないの…と思ってはいけません。
多くの生徒がぶつかる壁が「反復練習」の壁なのです。
どれくらい練習をすればできるようになるのか、それは学習内容によって、人によって大きく違います。③ 学力をつけるための「ノートの取り方」「授業の受け方」をまずはやってみる
塾で授業をしている時の「あるある」ですが、子どもたちから「先生、それノートに書きますか?」と聞かれることがあります。
こうやって聞いてくれるだけならまだ良いのですが、中にはノートをとること自体をしない子もいます。
まずは、しっかりとノートをとってそれを家で見返してみる、という習慣をつけるだけでも学習効果は高まります。
ノートの使い方や活用法はいろいろな方法がありますが、まずは「先生が板書したことを、しっかりとノートをとる」ことができるようになれば十分です。
また、授業の受け方も工夫できるポイントです。
先生の話を聞く、自分なりに考えてみる、ノートをとる、といったことを、うまくできなくても良いのでまずはやってみることが、次の学年の学習につながります冬休みは塾に通ってみようかな、と思っている方は
・通いやすさ(日程、時間、距離、送り迎えなども含めて)
・授業の内容(学校や家ではなかなか学べない内容になっているか)
・塾の雰囲気(先生の雰囲気が明るいか、先生と生徒がコミュニケーションをとっているか、など)
この3つをポイントとして考えると良いと思います。
まずは実際に気になる塾に足を運んでみることが大事です。
また、冬期講習を無料で受講できる塾もたくさんあります。
ただし、無料体験はあくまでも「体験」ですから、実際に通い始めたときと多少の違い(先生や授業の内容などに)があるかもしれない、ということは頭に入れておいた方が良いと思います。
それであれば、「体験」という形ではなく、まずは冬期講習だけ通ってみる、というのも一つの方法です。
無料体験をやっていない塾の多くは、普段通っているお子さん向けに冬期講習の授業と講師を設定しています。
そのため、正式に入塾した後もそれほど大きなギャップを感じないことが多いです。受験勉強を本格的に始めるまでに、まだ少し時間があります。
「ダメだったら次!」ぐらいの気持ちでいろいろな環境を見てみるのもよいと思います。中学受験コース担当
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中学受験の学校選びってどうすればいいの?
中学受験は「この学校に行きたい!」学校があるからするもの、というイメージがあります。
しかし、今はたくさんの学校があり、その特徴も学校によって大きく異なります。
そのため最近は「明確な志望校は決まっていないけれど受験をしてみたい」と考える家庭も増えてきました。
そのような意味で中学受験はいまや特別なものではなくなってきています。
だからこそ悩むのが、どんな学校を選べばよいか、ということです。
そこで今回は、いくつかの視点から学校選びについて考えてみたいと思います。■ 大学附属の人気が急上昇!でも、気をつけなければならないポイントも…
ここ数年、大学附属の中学校の人気が急上昇しています。
早慶の附属は依然として人気がありますが、現在はGMARCH(学習院・明治・青山学院・立教・中央・法政)に進学できる学校の注目度が高くなっています。
大学附属校が注目された背景には、① 私立大学の入学定員をやみくもに増やせなくなったため、合格者数が絞られるようになってきたこと
② 大学入試改革によって、入試制度の変化に対する不安が高まったことが挙げられます。
確かに、大学までの進学が約束されれば、受験勉強に追われることなく好きなことに時間を割くことができます。
そのような意味では、好きなこと、やりたいことが明確なお子さんは大学附属を考えても良いと思います。
一方で、子どものやりたいことが決まっていない中で、「とりあえず大学に行ける」ことを目的に大学附属に進学すると、どこかのタイミングで「思っていたのと違う」となる可能性もあります。
親の不安だけで「とりあえず大学に行ければいい」という学校選びは、あまりお勧めできません。■ 大学の進学実績は「数」よりも「方法」に注目する
中高一貫校に進学する目的として、大学入試で希望の学校に進学してもらいたい、ということを挙げる方も多いと思います。
現在の大学入試は推薦入試(総合型選抜)の割合が増えてきているとはいえ、難関大の多くは従来通りの一般入試を採用しています。
中高で高い学力をつけて大学に進学することは、大学に入ってからの学びにも当然、役立ちます。
ここで気をつけなければならないのは、どのようなやり方で子どもたちの学力をつけているのか、ということです。
一口で進学校と言っても、① 生徒の主体性にすべて委ねる学校
② 先生がしっかりとレールを敷いてあげる学校
③ 生徒の主体性を尊重しながら、先生がサポートする学校といったふうに、子どもたちの導き方が全く違います。
① のような学校は、レベルの高い進学校に多いです。通っている生徒たちのレベルも、意識も高いため、学校側がそれほど言わなくてもお互いに刺激し合い、大学に合格していきます。
② の学校はとにかく学校側が提示した課題や授業をクリアしていけば、高い学力がつき大学に合格できる、という学校です。
どちらかというと、「言われたことはしっかりとやる」タイプのお子さんはこのような学校を選ぶのも1つの方法だと思います。
③ の学校は子どもの意思を尊重し、それを先生がサポートすることで高い学力を身につけて大学に合格する、問い学校です。人にあれこれ言われるよりも、自分で決めてやりたい、というタイプのお子さんに向いているかもしれません。
こんなふうに、大学進学に力を入れている学校でも、子どものタイプを踏まえて考えていくのが良いのではないかと思います。■「何を体験できるのか」という付加価値も視点の1つ
ここ数年で増えてきているのが、「そこでしかできない体験」が魅力の学校です。
理系の教育に力を入れる学校、英語を中心とした国際教育に力を入れる学校、IT教育やSTEAM教育に力を入れている学校など、さまざまな学校があります。
どの学校も独自の教育、独自の企画に力を入れているため、とても魅力的に感じます。
まだやりたいことが決まっていないお子さんや、いろいろな体験をするのが好きなお子さんなどには向いているのではないかと思います。
また、6年間で興味のあることを見つけ、とことん学んでいくことは、先ほど話題に挙げた推薦入試(総合型選抜)による大学合格に結びつく場合もあります。
ただし、このような学校は必ずしも難関大学や有名大学の進学実績が高いとは限りません。
偏差値や進学実績だけにとらわれず、「どのような環境で思春期の6年間を過ごしてもらうのか」も学校選びの重要な視点になります。_
そのためには、「今この瞬間の子どもの様子」だけを見るのではなく、「これから成長していくであろう子どもの姿」を見据えることが大事です。今は、どの学校もホームページの情報が充実しています。
まずは通学時間1時間以内、電車の乗り換え1回、ぐらいを目安にいろいろな学校を見てみると良いと思います。
偏差値の高さや、ブランド、進学実績だけで学校選びをする時代ではなくなっています。
「どこの学校が良いか」よりも、「どんな環境が向いているか」を学校や塾の先生に聞いてみるのも、1つの参考になると思います。中学受験コース担当
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中学受験の勉強はいつから始めればいいの?
2024年の1都3県における中学受験率は18.12%(首都圏模試センターによる)でした。これは過去最高の受験率だったそうです。
ちなみに、千葉県内の私立中学に進学した生徒の割合は7%程度となっています。
しかし、都内も含めた他都県へのアクセスが良い千葉県東葛エリアに限定すると、公立中学校以外の中学校に進学した生徒はもっと多いため、受験率も高くなっているはずです。
特に人口の増加が著しい柏・流山エリアでは、同じ学区内での小6生徒数と中1生徒数に大きな差がある(学区内の中学に進学していない生徒が多数いる)学校も珍しくありません。そのような中で、ここ数年、中学受験を考える家庭が増えてきました。
今回は、中学受験を考えているお母さん、お父さんの悩みの1つである「いつから中学受験を始めたらいいのか」について、書いていこうと思います。■ 多くの塾では「スパイラル学習」のカリキュラムを採用している
「いつから」の話の前に、中学受験の塾ではどんなカリキュラムで授業が行われているかに触れていこうと思います。
多くの塾が、いわゆる「スパイラル学習」という形でカリキュラムを作成しています。
「スパイラス学習」では、授業と家庭学習によって学んだ単元が、時間をおいて忘れかけたころに、異なる視点で、少し掘り下げた形で再び出てきます。
だいたい小4~小6の3年間で同じ単元が繰り返し登場し、学年が上がるごとに内容は難しくなっていく、というカリキュラムを採用している塾がほとんどです。
この「スパイラル学習」のカリキュラムの特性を踏まえて、いつから受験勉強を始めればいいのかを考えてみましょう。■ マイペースな子は早めのスタートでゆっくり定着
子どもの性格によっても受験勉強の始め方は変わってきます。
マイペースなお子さん、ゆっくり、じっくりやった方が成果が出そうなお子さんは、小学校4年生あたりから受験勉強を始めるのも一つの選択肢です。
前述のカリキュラムの特性を踏まえると、どこの塾でも4年生でやった内容が5年生で形を変えてもう一度で出てきます。
さらに、6年生になると5年生までの復習を扱う機会も増えますし、入試問題演習でさらに復習の機会が出てきます。
同じ内容をくり返し学ぶ機会を多くする、ということを重視した方が良いお子さんは早めのスタートを考えても良いと思います。■ 中学入試の問題は5年生・6年生で学習した内容がほとんど
ここまで、早く塾に通うことのメリットについて書きました。
一方で、長く塾に通うことで緊張感がなくなってしまったり、中には同じ内容を繰り返すことで飽きてしまったりするお子さんもいます。
入試問題を解けるようになる、とうことだけを考えれば、小学5年生からスタートすれば、受験に必要な知識は十分に学ぶことができます。
新しいことを知るのが好きなお子さん、短期集中でやる方が向いているお子さんは5年生のどこかでスターをきるのが良いかもしれません。
また、子どもの立ちの内的成長という視点でも、抽象化する力が出てくる小学校高学年の方が受験勉強に取り組みやすいと思います
できるだけ効率よく塾を活用して受験をしたい、といことであれば小学5年生のどこかのタイミングでスタートしてみるのも良いのではないでしょうか。■ 前向きな「撤退」はマイナスではない
中学受験をするかどうかの悩みの中には、「始めたらもう後戻りはできない」と思っているお母さん、お父さんも多いと思います。
しかし、子どもの成長は大人が予想できない部分も多いです。
受験に向けた勉強をしていく中で、「うちの子には中学受験に時期尚早だったかも…」と思うこともあるかもしれません、
そんな時、真面目な親ほど「せっかく塾にも入って、テキストも買ったし、最後まで頑張らせないといけない」と思いがちです。
しかし、中学受験で一番よくない結果は何かというと、「勉強が嫌いになること」です。
もっと言えば、「自己肯定感が下がってしまうこと」です。
受験をする、受験をしないは置いておいて、小学生のうちは子どもが楽しく勉強に取り組める環境を用意することが重要です。
状況によっては、お母さん、お父さんが勇気を持って中学受験から「撤退」することも頭に入れておいた方が良いと思います。
いろいろと書きましたが、子どもたちにとって中学受験をするということがポジティブな経験になると良いなと思っています。
普段、塾に通っていないお子さんは、長期の休みに実施される講習などを活用してみるのも一つの方法だと思います。
親もあまり構えずに、中学受験の勉強が子どもたちに新しい世界、楽しい学びと出会うきっかけになればいいか、ぐらいの気持ちで初めて良いと思います。次回は学校選びについて書いていこうと思っています。中学受験コース担当
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