中学準備講座ブログ・授業レポ

shin_chu1blog
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250224
中学準備講座もいよいよ大詰めです!
2月の中学準備講座も後半戦に入りました。
理系講座では「自然数の和」というテーマを扱いました。
この「自然数の和」というテーマに関する問題は、中学校の定期テストや高校入試でも出題されます。
残念なことに世の中の多くの中学生は、この手の問題は「やり方」だけを知っていて、それで終わりになっています。
しかし、ここで扱っている考え方や視点は、今から約2600年前に活躍した数学者のピタゴラスや約250年前に生まれた数学者ガウスが考えたことと同じなんだ、といった話も先生がしていました。
まずは前回の授業で勉強した、「計算の工夫」の考え方も使いながら、「1から100」や「1から13」といった具体的な自然数の和の求め方について考えていきました。
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そしてここからさらに、どんな数にでも使える「公式」のようなものが作れないかを考えていきました。
先生からのヒントは「階段状の“ブロック”で考えてみよう」とのこと。
実はこの視点、先ほど登場したピタゴラスによって作られたピタゴラス学派の人たちが「万物は数である」という考えのもと、数と図形を結び付けて考えたことに由来しているそうです。
そんなヒントも使いながら、「公式」をみんなで導き出してみました。
ここからさらに数に関する話は広がっていくのですが、それはまた次回の授業で…
文系講座の『星の王子さま』も子どもたちに考えてほしいテーマに踏み込んでいきます。
前回の「おとなとこどもの違い」からさらに掘り下げていきます。
今回は「多くの人はどうして“おとな”になってしまうのか」という問いかけからスタートしました。
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ちなみに、ここでいう“おとな”とは「実学や数字ばかりに目を向け、他者を社会的ステータスで評価し、常に忙しく時間に追われているために、生きるというのがどういうことかわからなくなっている人々」と定義しています。
子どもたちからは
・ルールに従って生きることを求められるから
・効率重視になるから
・自分も外見などで判断されること経験が多くなるから
・成長して「自分はなんでもわかるわけではない」と気づき、頼れるものを必要とするから
といった、鋭い意見もたくさん出ました。
子どもたちの様子を見ていて感心したのは、単に自分の考えを言うだけではなく、他の人の意見を聞いて浮かんだ疑問点に関する質問をお互いにしていたことです。
中学生になると、電車に乗る時は「大人料金」になりますし、旅費や宿泊代も「大人料金」になります。
大人の自覚がないまま、時と場合によって限定的に、世間から「大人扱い」される、そんな不思議な年代が中学生なのです。
これからそんな年代に突入していく小6の子どもたちだからこそ、「おとなになること」「おとなであること」について考えてもらいたいと思っています。
宮崎 和基
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250218
物語は深く読み、深く入り込むのが楽しい
多くの人が文章を深く読むことが大切だと思っています。もちろん、それも大切なのですが小説を楽しむという点で考えると、むしろ物語に深く入り込んでいくことが重要です。
今回の授業では、『星の王子さま』を読みながら、それぞれの子どもたちに想像力を働かせてもらいました。
『星の王子さま』には様々なキャラクターが登場します。
ぼく、王子さま、花、自惚れ屋、点灯夫、地理学者、ヘビ、キツネなどなど…
それぞれが何かの「役割」を果たしていて、何かの「象徴」になっている、という読み方ができます。
まずは、授業の中でそれぞれのキャラクターが何を「象徴」しているのかを考えてみました。
同時に、自分と似ているキャラクターは誰かなども考えてみました。
そこから、『星の王子さま』に登場しそうな、何かの「象徴」となっているキャラクターを、みんなに考えてもらいました。
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みんな、それっぽいキャラクターを考えてくれました。
中には何を「象徴」しているのか、描いた本人もわからないキャラクターもいましたが、そのキャラクターを使って、何を「象徴」しているのかをみんなで話し合うのも楽しかったようです。
次は自分の作ったキャラクターを物語の中で動かしてみます。
オリジナルのキャラクターと王子さまとのやり取りを考えて書いてもらいました。
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子どもたちの書いたものを見て感心したのは、王子さまとの会話がちゃんと「星の王子さまっぽい」感じになっていることです。
王子さまの質問に対する答えが、いかにも「何か意味をしていそうな」感じになっていました。
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大人の私たちがこのようなことをすると、そこに何かの意味や意図を乗っけようという欲が働いて、それっぽいけれど何だか「わざとらしい」ものになりがちです。
子どもたちは純粋に物語の中に入り込んで、そこで感じ取ったものを表現しています。
子どもたちの自由な発想や表現を見ていると、大人になっていく中で私たち大人は何か「大切なもの」をどこかに置いてきてしまったのかなと思わざるを得ませんでした。
『星の王子さま』も後半に向けてさらに深く入り込みながら読んでいきます。
子どもの時にしか感じることができない気持ち、今しか持つことができない感想を子どもたちが持って2月が締めくくればいいなと思っています。
宮崎 和基
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250214
ちょっとの工夫で楽に、正確に計算をしよう!
2月の中学準備講座の理系は「数を楽しむ」をテーマに勉強をしています。
今回の授業では「計算の工夫」について考えてみました。
算数(中学からは数学となりますが)は計算が大変だから苦手、と思っている人もいるかもしれません。
また、数が大きくなったり、分数や小数がたくさん出てきたりすると、とたんに計算ミスが目立ち始める、そんなこともあると思います。
まずは「計算しやすいように“きりの良い数”にまとめる・分けてみる」という練習をしました。
要するに、たくさんの数が出てくる式を計算する時に、どれを先に計算すれば計算しやすいか、ということです。
小学校の算数の授業で習ったことがある計算の工夫も登場していたため、学校で習ったことが役に立ったと感じている生徒もいました。
ここまでは軽いウォーミングアップのようなもので、ここからが本番です。
ちょっと桁数の多い数字どうしの計算の工夫です。
今までのように順番を入れ替えたり、まとめたりしても、工夫にはならなそうです…
そこで先生が提示した新たな視点が「図形で考える」という工夫です。
数字だけで考えるのではなく、それをビジュアル化して考えることで計算の工夫がイメージしやすくなりました。
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次は何や分数が延々と続いている計算問題です。
こんなに長い分数の式が本当に工夫すれば計算できるの?
多くの生徒たちがそう思っている中、先生が明快な解説をしていました。
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このような問題は、中学受験や高校受験でも出題されます。
しかし、多くの生徒が「解き方」は知っていても、「どうしてその計算をするのか」を説明できないことが多いのです。
ですから、今のうちに計算の工夫のやり方として理屈を知っておくことは大事なことです。
最後はこれまでの内容を総動員して考える問題に挑戦しました。
子どもたちも必死に手を動かして、何とか答えにたどり着こうと頑張ってくれました。
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ぱっと見ると難しそうな問題でも、あれこれ頭と手を使って考えてみると、意外と解けるんだということがわかってもらえたらいいなと思います。
宮崎 和基
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250209
『星の王子さま』始めました!
2月の文系講座は『星の王子さま』を読んでいきます。
『星の王子さま』は多くの人が知っている作品ではないでしょうか。
でも、意外と読んだことがなかったり、読んだとしても内容を忘れてしまったりすることも…
すばらしい作品は読むたびに新たな発見があります。
私たち講師も毎年、授業をやるたびに「こんな読み方もあるな」とか「こんなメッセージが込められているのかも」と思ったりします。
子どもたちにとって、一生読み続けられる作品との出会いになってくれればと思っています。
前置きが長くなりましたが、授業の様子を見てみましょう。
授業が始まる前からホワイトボードには謎の絵が描かれています。
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子どもたちに子の絵が何に見えるか聞いてみると…
「帽子」
「ツチノコ」
「壊れたコタツ」
とユニークな回答が出てきました。
この絵は『星の王子さま』では有名な絵ですが、この絵の話は一旦後にして、まずは『星の王子さま』の作者であるサン=テグジュペリがどんな人だったのかを紹介しました。
パイロットという経歴、戦争中は敵国の兵士の中にも彼のファンがいたことなど。これまで塾で読んできた作品の作者とはちょっと違った経歴に子どもたちも興味を示していました。
さらに、『星の王子さま』にも影響している、第一次世界多選についても話をしました。
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学校でも歴史をやっていることもあり、子どもたちは自分が知っていることをいろいろと教えてくれました。そんな中で、歴史好きの生徒がその博学ぶりを存分に発揮してくれる、といたシーンもありました。
そして、いよいよ例の絵についてみんなで考えてみました。
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この絵は大蛇であるボア(ウワバミ)がゾウをのみ込んでいる絵なのです。
しかし、物語の中では、大人はこの絵を帽子と言い、ゾウを飲み込んだボアだと説明しても、まともに取り合ってくれません。
このシーンから「大人と子ども」を対比して考えてもらいました。
あっという間に授業の時間が過ぎてしまい、今回は結論まで至りませんでした。
しかし、鋭い意見を言ってくれる生徒もいました。
続きは次回に!ということで2月の初回授業は幕を閉じました。
この機会にぜひお母さまやお父さまも、お子さまと一緒に『星の王子さま』を読んでみてはいかがでしょうか。
宮崎 和基
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250204
生物進化のキーワードは“DNA”
今回は理系講座にスポットを当ててみます。
前回の生命の進化の歴史から少し踏み込んだ内容となりました。
生物が細胞でできていること、そして細胞には設計図の役割をしているDNAが入っていることも勉強しました。
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そして、初期の生物である単細胞生物から。生物がどんなふうに進化してきたのか、という話の中では「エディアカラ生物群」という興味深いワードも紹介されました。
授業の中で見たパンケーキのような形をした生物を含んだ様々な生物たちは、地球最古の多細胞生物だと言われているそうです。
ここからさらに掘り下げていきます。
進化がどんなふうに起こるのか、その仕組みについても学びました。
そして、生命の進化とは切っても切れない「変異」についても、その原因を学びました。
ゲームやアニメなどで「進化」ということは何となく知っていた子どもたちも、様々な要因がそれぞれ影響し合って生物の進化が起こることには驚いていました。
最後はみんなでビーズを使ってDNAのストラップを作りました。
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もしかしたら、これが一番真剣だったかもしれません…
いろいろな意味でDNAのすごさと複雑さを学んだ授業だったのではないでしょうか。
できあがったDNAストラップはこんな感じです。
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2月も中学準備講座は続きます。
文系講座は「星の王子さまを読む」、理系講座は「整数はこんなに面白い」と今度は国語系と数学系の内容となります。
個人的には、「星の王子さま」はぜひ読んでもらいたい作品です。
2月もクセジュの中学準備講座を楽しんでもらえたらと思います。
宮崎 和基
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生物の進化の物語と人間の戦争の物語
今回は理系講座の様子から紹介します。
授業の中で生命の進化の歴史について勉強しました。
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まずは理科のちょっと先取りとして、細胞のしくみについて説明しました。
そして、細胞の中にある「DNA」がどうやら生物の進化に関係しているらしい…という話から壮大な生物の進化の物語が始まりました。
今から約5億4000万年前から始まったカンブリア紀に突然起こった、爆発的な生物の多様化など、子どもたちの想像力をかき立てるような話がどんどん出てきました。
生物に進化に関しては、よくわかっていないことがたくさんあります。
子どもたちには、この「わかっていないこと」こそが「おもしろいこと」だという感覚を持ってもらえたらいいなと思います。
それが、これから中学校の勉強と向き合っていく中での大事な視点の1つになるはずです。
文系講座では、この40年の世界の歴史を振り返ってみました。
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お家の人に「印象にのこっている世界の出来事」を聞いてきてもらったところ、「湾岸戦争」「アメリカ同時多発テロ」「コロナウィルスの流行」などが挙がりました。
振り返ってみると、この40年で世界ではたくさんの戦争や紛争が起こりました。
しかも、現在は遠隔操作のできる兵器やドローンが戦争に使われるなど、戦争の残酷さや悲惨さなどが戦争をしている人たち自身も感じづらい状況になっていて、それがさらに戦争をより悲惨なものにしているのではないか、といった話にもなりました。
一方で、SNSの普及によりニュースでは報道されない視点、一般の人たちの視点での戦争の様子を見ることができてしまう現状のアンバランスさについても触れました。
授業の後半では「どうして戦争は起こるのか」について考えました。
さらに、生徒たちと戦争をなくすためにはどうしたらいいかも話し合いました。
日本は今年で戦後80年を迎えます。
実際に戦争を体験した方がどんどん少なくなっていく今だからこそ、戦争について知り、平和について考える機会は必要だなと改めて思いました。
宮崎 和基
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250127
“終末時計”から見る現代の歴史
授業内容があまりにも盛りだくさんで、前回紹介しきれなかった文系講座の様子を今回は紹介します。
今回の授業は「終末時計」を使って世界の歴史を振り返ってみました。
ところで、「終末時計」とは一体何か?
これは、人類が生み出した技術によって引き起こされる世界の破滅がどれだけ迫ってきているかを、象徴的に表したものです。
深夜0時を人類滅亡と見立てて、核戦争やその他の危機が高まると時計の針は進み、終末までの残り時間は少なくなります。
反対に、危機が遠のけば時計の針を戻して、終末までの残り時間は長くなります。
ちなみに、終末時計が公表されたのは1947年です。
この時、終末までの時間を「残り7分」と設定したそうです。
授業ではテキストに書いてある世界の出来事を参考にしながら、みんなで「この時、終末までの時間がどれくらいだったのか」を予想していきました。
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その後、実際に公表された残り時間を見てみると…
米ソの核開発競争が激しくなった1953年には「残り2分」とかなり時計の針が進みました。そして、冷戦が終結した1991年には「残り17分」まで時計の針が戻りました。
今はどうなのかと言うと、2018年から2019年は「残り2分」、2020年から2022年は「残り100秒」、そして2023年から2024年は「残り90秒」となっています。
昔よりも今は平和だから、残り時間は結構あるのではないか、と思っていた子どもたちは驚いていました。
授業の最後に、2025年の終末時計は残りどれくらいになるのかを、今の世界情勢と照らし合わせながら予想してみました。
科学も技術も発達して、便利で豊かな世の中になっているはずなのに、これまでの歴史で今が最も終末に近いという事実は、なかなかショッキングだったのではないかと思います。
どうすれば終末時計の針を戻すことができるのか。
そのヒントは、来月の文系講座の内容につながっているかもしれません。
宮崎 和基
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250118
1月の講座がスタートしました!
1月の中学準備講座は
文系講座が「家族が経験した現代の歴史 ~ イマにつながる最も近い時代を学ぶ ~」
理系講座が「星・大気・水・そして生命の物語 ~ 46億年の壮大な地球のロマン ~」
といった内容を扱います。
冬期講習はどちらかというと国語的、算数的な内容を扱いました。
そこから一転、今月は社会的、理科的な内容を扱っていきます。
先日行われた第一回目の授業を早速のぞいてみましょう。
文系講座ではこの40年の日本の社会をみんなで振り返ってみました。
といっても、難しい歴史の話からは入りません。
それぞれの時代に親しまれていたキャラクターを先生が紹介しました。
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そこから、時代の特徴とキャラクターに何か関係があるのでは…と考えていきました。
バブルがはじけて、日本が不景気になっていく、そんな時代の象徴として「ちょっとダメだけどカワイイ」キャラクターが愛されているのでは?といった意見も出てきました。
理系講座も壮大な歴史の物語を扱っています。
今回のテーマは「宇宙はどうやって始まったのか」です。
宇宙は138億年前(現在は267億年前ともいわれていますが)に誕生したという定説をもとに、宇宙がどんなふうに誕生し、どんなふうに広がっていったのかといった話を先生がしていました。
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子どもたちも、どうして「何もない」ところから宇宙が生まれるのか、どうやって今の宇宙の姿になったのか、これから宇宙はどうなっていくのか、など様々な疑問を持ってくれたようです。
文系講座も理系講座もまだそれぞれの物語はまだ始まったばっかりです。
この1か月でどんな物語を知ることができるのか。
ワクワクしながら毎回の授業に参加してもらえたらいいなと思っています。
宮崎 和基
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冬期講習もいよいよ大詰め!
ついこの間始まったと思っていた冬期講習も気がつけば最終回です。
どの教科も小6の授業とは思えないような、難しくて興味深いことにまで挑戦しました。
その中でも最終回は、文系講座にスポットをあてようと思います。
今回は生徒たちに「正義」の定義について考えてきてもらいました。
面白かったのは、一言で「正義」と言っても人によってとらえ方が違っていたことです。
ほとんど同じ環境で、同じだけ年齢を重ねてきた生徒たちでも、それぞれのとらえ方が違うことにみんな驚いていました。
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こちらのクラスでは映像を使って授業をしています。
この映像は、戦時中に子どもの教育のために作られた桃太郎の映画です。
桃太郎は空母や戦闘機を使って、アメリカ兵のようないでたちをした鬼を退治します。
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どうしてこんな桃太郎の映画が作られたのか。
かなり先取りになってしまいますが、日本がどんな風に戦争をしたのか。その歴史もまとめました。
ここから、結局、芥川龍之介はどうして自作の桃太郎を書いたのかを考えました。
ちなみにこの作品が書かれたのは1924年ごろだと言われています。
日清、日露、第一次大戦と日本が戦争によって国を強く大きくしていく姿を風刺していたのかもしれない、そんな結論になりました。
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今年は戦後80年の年です。
戦争を語れる人たちがほとんどいなくなってきた時代だからこそ、さまざまな視点で日本の歴史を、日本の戦争を振り返るのにちょうどよい機会だったのではないでしょうか。
宮崎 和基
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視点を変えると世界が変わる!?
お正月休みも終わり、冬期講習の後半がスタートしました。
今回は文系、理系の両方の授業を紹介します。
まずは理系講座から。
久しぶりの塾だったので、まずは復習から。
といっても、普通に復習したのでは面白くないです。「事件は現場で起こっている!」といったノリで、謎解きをしながら復習問題に取り組みました。
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その後は、「投影図でクイズ」と題して投影図から立体を頭の中で想像し、その立体の見取り図を描くことに挑戦しました。
頭の中に何となく浮かんでいる立体でも、実際に書いてみると意外に難しい!ということを生徒たちも実感していました。
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文系講座も盛り上がっています。
今日も題材は『桃太郎』です。
しかし、今回は視点を変えて「鬼」の立場から物語を考察してみました。
「悪」とは相対的なものであることを、世界で起こった数々の悲惨な出来事から学びました。
そして、私たちも「悪」と捉えられてしまう可能性がある…だからこそ、多角的、多面的に物事を見ることが大事なんだ、という先生のメッセージも伝えました。
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冬期講習の授業も残すところあと1回となりました。
それぞれの講座でどんなフィナーレが待っているのか、楽しみにしていてください。
宮崎 和基
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クセジュが桃太郎を扱うと、話はここまで広がってしまいます
今回は文系講座のその後を紹介します。冬期講習では芥川龍之介版の『桃太郎』を読んでいます。
私たちは『桃太郎』の話を知っているようで意外と知らない所もあります。例えば、どうしてお供が「サル」と「キジ」と「犬」なのか。これは十二支や「鬼門」といった中学校の古典で出てくる内容が関係しています。それが分かると、お供の動物が「サル」「キジ」「犬」であることは納得がいくのです。
shin_chu1blog4a
こんな風にクセジュの文系、特に国語の授業では一つの文章から様々な分野に話を広げ、掘り下げていきます。それによって、今までつながりを感じることができなかったようなもの同士が、実はつながっていた、という発見があるのです。さて、今回はどんなふうに話が広がっていくのか、少し見ていきましょう。
このクラスでは前回の授業で『桃太郎』を使って「善悪」について考えました。
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今回はそこから話を広げ、私たちが生きる現実の世界での「善悪」について考えてみました。中学校では中3ぐらいなると歴史で出てくる、ミャンマーという国にスポットをあてました。
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ミャンマーで長く続く内戦をその歴史的背景を学んだ上で、それぞれの立場の「正義」が何であるのかを考えました。
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今回の授業を受けたことで、子どもたちもちょっとだけ「自分とは違う立場や考え方の視点に立つ」ことができるようになった気がします。
宮崎 和基
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立体図を上手に描くためには…
今回も理系講座を紹介します。
前回までは頭の中で考えることに取り組んでいましたが、ここからは実際に見たり、触れたり、描いたりしながら学んでいきます。
こちらのクラスでは、実際に立体を作っています。
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数学の先生はよく「図を描いて考えなさい」と言いますが、「その図がきちんと描けないから苦労しているんだよ…」と思っている人もいるのではないかと思います。実際に立体を作って、いろいろな方向から眺めてわかることもたくさんあります。実際に作った立体を見ながら、図を上手に描く練習をしました。
次のクラスでは立体の見取り図の描き方を勉強しています。先生がプロジェクターを使って、立体を切った時の形を見せています。
shin_chu1blog3b
自分で作るのはなかなか難しい、複雑な立体も先生が作ってくれた立体を見ればイメージしやすくなります。
この他にも、身近にある立体などを実際に見ながら投影図を描いてみたりもしました。最初は図を描くのが苦手と言っていた生徒も、だんだんと投影図を描くコツをつかんできていました。
宮崎 和基
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図形で“感性”を磨く!?
理系講座では「図形を楽しむ」をテーマに立体図形について勉強をしています。
中学校の数学でも扱う立体図形は、イメージできる人には難しくないけれども、イメージできない人にとってはさっぱりわからない…といった具合に好き嫌い、得意不得意がはっきり分かれる分野です。
このような分野を学ぶ際に大事なのは、ただ先生の説明を聞くだけではなく、自分たちでいろいろと考えたり、手を動かしたりすることです。
授業でもまずは子どもたちに、立体(多面体)にはどんな性質があるのかを考えてもらいました。
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すると、何だか共通点がありそうな感じがしてきました。
ここで先生から多面体の性質に関して新たな視点を子どもたちに提示します。
ホワイトボードには聞いたこともないような「定理」が書かれました。
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実はこれ「オイラーの多面体定理」といって、今から300年以上前に考え出されたものだそうです。しかも、この定理は数学の世界にあるたくさんの定理の中で「美しい」定理の一つだそうです。
私たちとは全く違う視点から多面体を考えたオイラーの視点に子どもたちは驚き、先生は定理の「美しさ」を語っていました。
話は変わりますが、小学校高学年から中学生ぐらいの間でその後の「感性」が方向づけられるという研究があります。
学校で習う内容や入試につながる内容を勉強することも大事です。
しかし、それと同じくらい子ども時代に「美しい」とか「素晴らしい」と言われているものを見て、聞いて、体験することが長い目で見たときの「学び」において大切なのではないでしょうか。
今日の授業で感じた「驚き」や「感動」が、子どもたちの感性に響いてくれるといいなと思います。
宮崎 和基
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中学準備講座がスタートしました!
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12/25(水)から小6の冬期講習がスタートしました。
クセジュの冬期講習は一足早く「中学準備講座」という形で開講しています。
中学校に向けた準備というと、どうしても「先取り学習」に意識が向きがちです。
しかし、一番大切なのは中学校の勉強に対して「何だか面白そうだな」とか「早く授業を受けてみたいな」といった期待感を持てるようになることです。
そこで、今回の冬期講習は子どもたちが「ちょっと難しいけれど楽しい」と思えるテーマを厳選した授業を行っています。
それでは早速、冬期講習初日の様子を見ていきましょう。
今回の冬期講習では「文系講座」と「理系講座」の2講座を開講しています。
まずは文系講座の紹介から。
文系講座では「正義の見方」というテーマで、物事をさまざまな視点で眺めることに挑戦します。
今日の授業で読んだのは、誰もが知っている「桃太郎」のお話です。
しかし、いざ読んでみるとみんなが知っている「桃太郎」とはだいぶ内容が違います。
実は、今回読んでいるのは「蜘蛛の糸」や「羅生門」で有名な芥川龍之介が書いた「桃太郎」なのです。
芥川版の桃太郎は、川をどんぶらこっこと流れてきた桃の出どころが書かれていたり、鬼ヶ島から帰ってきた桃太郎一行の「その後」まで描かれたりしています。
生徒たちも今までと違った桃太郎のお話に興味津々です。
そんな生徒たちの反応に先生たちも授業に熱がこもります。
話題は桃太郎からどんどん広がり、「歴史」や「戦争」の話、みんなが知っているアニメを敵役の視点で見たらどうなるのかといった話、日本の神話の話など、短い時間の中にたくさんのトピックが盛り込まれていきました。
この冬から始めてクセジュの授業に参加した子どもたちも、「勉強は本来楽しいもの」ということが少し感じられたのではないでしょうか。
宮崎 和基
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