中高一貫 中3問題例

問題:❶
a,b,c が実数のとき、次の命題の真偽を述べよ。
a+b+c>0, ab+bc+ca>0, abc>0 ならば,a>0, b>0, c>0 である。
○ 受講生解答例 & 解説
この問題は、「不等式の証明」について学習した際の確認テストとして、大学入試の過去問(千葉大学の入試問題)から出題したものです。設定は極めてシンプルで、問題の内容は不等式を習ったばかりの中学生でも理解できるものですが、いざ証明するとなると高校3年生でもなかなかに難しい。実際、この問題を式だけで証明しようとすると、やや技巧的な手法を用いなければならず、類題を解いたことがあるかどうか、という「経験」に依るところが大きくなります。「知らないと解けない」ものを憶える学習ばかりをしていては、いずれ限界に達します。「自然で妥当な方法で解ける」ものを学ぶことこそが、真の応用力へと繋がるのです。
問題にはa、b、cという3つの文字が登場しています。3つの文字(変数)を扱う場面は、中学数学ではまず見かけませんが、高校以上の数学では日常的なことです。この問題は、「たくさんの文字をどう扱うか」という、文字に対するアプローチの方法が確立されているかを問うているのです。実は、中学数学において、既に、2文字の方程式(等式)を座標平面に図示して考察することを学んでいます。目に見えない抽象的な「式」を、目に見えて具体的な「図形」へ書き換えることで、扱いやすくするのです。もちろん、これは「不等式」にも応用することができます。この「式をグラフ化する」ことこそ、クセジュ数学科が最も重要視し、高校数学の根幹と考えている手法なのです。
2文字であれば、座標平面に「グラフ化」できる。しかし、3文字のときはどうするか。この生徒は、第3の文字cを「固定」して考えることで、2文字a、bの不等式とみなし、それを座標平面に図示しました。素晴らしいのは最後の論証の部分で、3つある条件をそれぞれ図示した領域の「すべて」を満たしうるのが、a>0、b>0であると看破したことです。中高一貫コースでは、中3の初期の段階でパズルを題材に論証力を徹底的に鍛えていますが、その成果の顕れといえるでしょう。○ 資料請求・お問い合わせ ▶︎ コチラ
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問題:❷
あなたは、あるクイズ番組に出演し優勝した。
ボーナスチャンスとして、豪華賞品が隠れている 3 つの扉の中からひとつを選んで開けることができる。
賞品が隠れている扉はひとつだけで、残り2つはハズレである。
あなたは、ある扉を選んだ。
それを見て、クイズ番組の司会者はこう言った。
「あなたが選ばなかった 2 つの扉の中には必ずハズレがあります。それをひとつ教えてあげましょう!」
司会者の言う通り、ハズレの扉が開けられた。
ここにあるのは、あなたが最初に選んだ扉と、選ばなかった扉がひとつずつ。
司会者はこう言った。
「あなたに扉を変えるチャンスをあげます。さて、どうしますか?」
このとき扉を変えるべきか?変えないべきか?受講生解答例 & 解説
確率は苦手な生徒が多い分野です。その理由は、直感とかけ離れた結果になることが多いこと、そして何より、精緻な論理的思考力を必要とすることでしょう。ここで取り上げたのは「モンティ・ホールの問題」とよばれる有名な確率の問題で、アメリカのとあるテレビ番組内(モンティ・ホールは司会者の名前です)で実際に行われていたゲームを題材としています。
番組で行われていたゲームとは、3つの扉の後ろに新車1台とヤギ2匹が隠されていて、プレーヤーは新車をゲットするために扉を選択するというもの。詳しいルールは問題文をご覧いただきたいのですが、その答えを巡って、アメリカで最も高い知能指数をもつという作家と、プロの数学者たちが大激論を行い、なんと数学者側が大敗北を喫したというエピソードが知られています。数学者ですら間違えたこの問題を、(実は、数学者たちは、ゲームの内容を知らずに議論していたようです)中高一貫コースの中3の生徒たちにも是非チャレンジしてもらおうと思い、出題しました。
この生徒の解答では、表を用いて状況を整理しつつ、「条件付き確率」とよばれる手法を用いて、丁寧に場合分けをしながら計算をしていました。数学が得意な人でも混乱するこの問題に対し、理路整然と計算していくこの解答は、高校生でもなかなか書けるものではありません。教師の言葉を鵜呑みにするのではなく、解答の根拠を「自分の言葉」でもって説明する姿勢が大変素晴らしい答案でした。

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