新松戸教室長の佐々木です。
教務机で作業をしている最中にふと、教室から授業の声が漏れ聞こえてきました。
クセジュで授業は日常の風景。かつ、何年も授業をしている自分にとって見れば特段聞き耳を立てなくても授業で何がなされ生徒の反応がどうなるか?などはわざわざ目を向けなくてもあらかた想像がつきます。普段であれば授業中の声に作業の手を止めることはありません。そんな私がふと作業を止め、ふと目を向けたのは新中1の英語の授業でした。
先生:「国語辞書で一番有名なもの知っている?今年新たに第7版が出たというニュースがちょっと前にやったなぁ。」
生徒:「広辞苑!」
先生:「正解。ところでそんな広辞苑にはいくつの言葉が収録されているでしょうか?」
ほぉ。広辞苑の収録語数……。改めて聞かれると自分もパッとは言えないぞ。多分、その話題自体が自分のアンテナにひっかったのでしょう。窓越しに自然と私も内田先生の話に耳を傾けていました。
先生の話は続きます。
「広辞苑は25万語
フランス語の代表的な辞書は10万語
ドイツ語の代表的な辞書は35万語
では英語の代表的な辞書であるオックスフォードにはいくつの単語が収録されているでしょうか?」
なるほど。他言語に比べて日本語の単語が多そうだが、ドイツ語の方が多いのか。英語かぁ。イメージ的には流石に日本語よりは少ないような気がする。
しばらく話が後に先生から出てきた答えは意外なものでした。
「実は英語の代表的な辞書には60万語が収録されています。」
60万語‼︎「辞書の掲載語数=その言語の有する単語数」とは一概に言えないだろうが、ここまで多いとは!こんな話をしたらこれから英語を学び始める小6の生徒のみんなが、覚えることの多さにおののいてしまうのでは?てっきり英語の単語数が少ないから日本語よりも圧倒的にラクだよね。という流れの授業になると思っていたのに……。
私の微妙な心配をよそにそこからさらに授業は進みます。
話の結論としては、この単語数の多さはどこからくるのか?という疑問点をスタートに、言語の歴史を世界史とともに辿るというものでした。確かに領土に関する戦争は、同時に技術や、文化、そして言語の融合をもたらします。イギリスという国の歴史をたどれば、そこから英語の成り立ちと発展も見えてくるというわけです。そう考えれば先の質問も納得できますね。
「ラクさ=とっつきやすさ」という安易な展開を想像した私がお恥ずかしくなるような、深い授業がそこでは行われていました。
思い返してみれば小6の2月の授業のコンセプトは「5教科の全体像をつかむ」です。これから中学生に上がる彼らに対して、まずはそれぞれの教科を学ぶ意義、そして魅力を感じてもらう。そのためには、物事の背景、スタートを探っていくことが大切です。なかなかこの導入の部分は中学校の授業で触れることはありません。それ故に、クセジュでしかできないことをこの2月、3月は重点的にやっているのでした。
何事もスタートが肝心。その意味で、クセジュで学ぶ中1の授業内容は、単に学校の先取りをするものではなく、これから学問を深め、そして切り開いていく彼らの歴史の最初の1ページになるよう、我々講師も日々研究と工夫を凝らしているのです。それでは、2月後半も引き続きお楽しみに。