毎年この時期になると、中学生保護者の方から
「どこか、オススメの私立高校はありませんか?」
という相談を受けることが多々あります。
「公立高校はどこを受験するか?」でそんなに悩むことはありません。
公立高校の場合、学区・偏差値・通学時間のいずれかを基準にして、選ぶケースがほとんどだからです。
ところが、私立高校はそんな簡単に選ぶことはできません。
千葉県だけでなく、東京都や茨城県埼玉県まで視野に入れると、無数に私立高校は存在するからです。
私はクセジュで高校受験指導を26年やってきましたが、目まぐるしく変化する私立高校のトレンドについていくのに必死です。
今年もこの半年間で、計35校の私立高校(千葉県・都内・茨城県・埼玉県)を訪れました。
校長先生のお話や、学校の教育システム・大学合格実績の説明を聞いたり、授業見学をしたりして、1校1校の私立高校の「リアル」を目にしてきました。
さすがにこの場で『菊地が薦める私立高校・薦めない私立高校』を公表することはできません。
ですが、これから受験する私立高校を選ぶ中学生のお父さんお母さんに『私立高校を見きわめるオリジナル基準』を伝授したいと思います。
あくまで私菊地の独断と偏見に満ちた、辛口基準です。ご参考までに。
≪私立高校のココを見て!7つのポイント≫
1、校長先生のトーク冒頭に注目 ~私立高校の良し悪しは校長先生で決まる~
私立高校の説明会に行くと、最初に校長先生の話があるケースがほとんどです。
そのトーク冒頭で「2020年大学入試改革は~」といわゆる2020年問題を語り出したら、減点です。「大学入試改革に対応するために、授業システムをこう変える!」ということは、見方を変えれば「大学入試改革があるから、仕方なく変える」とも受け取ることができます。
私立高校の校長先生であるならば、時代のニーズをどう捉え、10年後20年後の日本や世界で活躍する人財を自分の学校でどのように育てるか?という明確なビジョンを、常に持っていてほしいと思います。
つまり「校長先生がどれだけ勉強しているか?」が大切なんです。
2、学校の先生方に元気があるか、若い先生がいるか?
説明会や授業見学・体験会、文化祭など、実は私立高校の中に入ることができる機会は結構あります。
そういった機会に見てほしいのは「先生」です。
生徒の様子を見るだけでなく、先生方をよく観察してみてください。
比較的若い先生が多い高校は「学校改革がスムーズに進んでいる学校」と判断してOKです。
3、タブレットを生徒に持たせることをやたらと強調??
ICT教育をアピールする私立高校は本当に多いです。
「生徒には全員タブレットを持たせます!」と宣言する学校が急速に増えているわけですが…ここも要注意。タブレットを生徒に持たせたら、先生がすぐにそれをフル活用した授業ができるわけではない、ということです。
タブレットを授業等に導入して5年以上経過していれば、かなり期待はできるのですが。
4、海外留学制度があることだけを、やたらと強調??
ICT教育と同様に、海外留学を大々的に宣伝する私立高校は少なくないですが、問題はその中身です。
単純に海外に生徒を行かせるだけなら、どの高校もできます。
海外に行かせて、生徒にどんな経験をさせるのか?どういった環境で勉強させるのか?まで、しっかりチェックすることが重要です。
5、校内で予備校や塾の映像授業を受けられることは本当にウリか?
大手予備校と提携し、授業に予備校の映像授業を見て自習することができる高校が増えています。
有料だとしても、普通に予備校に通うよりも安く映像授業で学ぶことができるのは、確かにメリットです。
ですが…見方を変えると「じゃあ、そもそも普段の学校授業だけでは学力が十分につかないということ?」ととらえることもできます。
6、実際の授業風景を見学させてもらおう!
私立高校は学校見学会の時に、授業を見学させてくれるケースが多々あります。
授業を中学生や保護者に見せることができるということは、高校側が授業に自信を持っている証拠です。ただし、私の経験上、実際に授業を見学したら………というケースも過去にありましたが。
7、大学合格実績は中高一貫で合算して出す、現役+浪人で合算して出す!?
ここ最近の難関大学入試の難化を受け、どこの私立高校も大学入試では苦戦しています。
ですから、少しでも数字を大きく見せるために、
①中高一貫校(私立中学と私立高校がセットの学校)
②現役生・浪人生
の大学合格実績を合算した数値だけを公表する私立高校があります。
もちろん、高校から入学した生徒のみの大学合格実績や、現役生のみの大学合格実績を発表する高校も多いですが…こういった高校側の姿勢にも、感じることが多々ありますよね。
ここに挙げた7項目は、私が私立高校を見る際の1つの基準でしかありません。
良い学校かどうかは、実際にその高校を見学して判断してください。
子どもの直感や感覚が、その高校に足を踏み入れた時にピーンと来るかどうか?を一番大切にしてください。