※あっちこっちレビューは、江戸川台教室長の長谷川修一先生が様々なことがらを
独自の視点で斬る、ブレイクタイムコーナーです。
NO.07 フェルメール展
2700円のコスパはないと思ってしまったから★☆☆☆☆
東京上野にある上野の森美術館で2018年10月5日から2019年2月3日の期間でやっていた日本美術展史上最大規模のフェルメール展。フェルメール作品として現存する35作品のうちの9作品が見られると話題にもなった。美術館めぐりが実は好きな僕は今回のフェルメール展も「行こう」とずっと前から考えていた。
開催初日からしばらく日数が過ぎたとある日。僕は上野につけ麺を食べに行った。「上野に来たことだし、ついでにフェルメール展にも行くか」と、軽い気持ちで上野の森美術館に向かうと…人混み、そして行列が…。今回のフェルメール展は日時指定入場制(入場する時間が決まっている)というシステムを導入していることで、今までよりも待ち時間が短くなっているらしい。確かにどんどん列が進んでいるのが見ていても分かるくらい日時指定入場制は効果を発揮しているようだった。だから少し並んで入館してしまおうかと迷ったけど、僕はあるものを見て入館することを止めた。僕が見たあるものとは『入館料2700円(一般)』というものだった。美術館の一般的な入館料はだいたい1800円。で、僕は「えっ?高っ!」と。よくよく見ると『石原さとみさんによる音声ガイダンス付き』とあるけど、一般的な音声ガイダンスは550円だし…。石原さとみの音声ガイダンスが付いていたとしてもやっぱり高い(苦笑)。
それから「どうしようかなぁ」と上野につけ麺を食べに行くたびに思いながら月日が流れて、2019年のお正月を迎えた。毎年恒例の湯島天神への初詣の帰りに上野の森美術館の前を通ると、お正月だからなのかスムーズに入館できそうな雰囲気。ちょっと割高だとは思いながらも、せっかくだからと意を決して入館することに。
世界的に有名なフェルメールだからなのかテレビ番組で多くの特番が組まれて、多くの作品が紹介されていた。そんな番組を僕はいくつか見ていたから、美術館で本物を見ても新鮮味や驚きや感動を味わうことが残念ながらできなかった。これは僕の個人的な評価だけど、2700円のコストパフォーマンスはないと思えてしまった。
日本美術展史上、最大の「フェルメール展」(フェルメール展HPより引用)
オランダ絵画黄金時代の巨匠、ヨハネス・フェルメール(1632-1675)。国内外で不動の人気を誇り、寡作でも知られ、現存する作品はわずか35点とも言われています。今回はそのうち9 点までが東京にやってくる日本美術展史上最大のフェルメール展です。
「牛乳を注ぐ女」「手紙を書く女」「真珠の首飾りの女」「ワイングラス」・・・欧米の主要美術館から特別に貸し出される、日本初公開作を含む傑作の数々が、ここ上野の森美術館の【フェルメール・ルーム】で一堂に会します。
NO.08 又吉直樹のヘウレーカ!-NHK
毎回のテーマが興味深いから★★★★☆
「“金縛り”はどうして起こるんだろう?」とか「僕はどうして納豆を食べるようになったんだろう?」とか「どうして独り言を言ってしまうんだろう?」とか、日常生活の中で思う「どうして?」「なぜ?」という疑問について、お笑い芸人であり芥川賞作家でもある又吉直樹さんが、その筋の専門家を訪ねて疑問を科学的に解明していくというテレビ番組(毎週水曜日22時からNHKで放送中)。テーマ設定が興味深いことばかりで、この番組を見ることが僕のライフワークになっている。
これまでに取り上げられたテーマ(2019年1月16日現在)は、
「なぜ植物はスキマに生えるのか」 | 「なぜお祝いに“胡蝶蘭”を贈るのか?」 |
「“金縛り”はなぜ起きるのか?」 | 「サボる“アリ”はいないのか?」 |
「腹の“ムシ”ってどんな虫?」 | 「月はなぜヒトの心を捉えるのか?」 |
「夜の標識 光って見えるのはなぜ?」 | 「なぜアリは行列するのか?」 |
「“男はつらい”ってホント?」 | 「“お前はもう死んでいる”ってホント?」 |
「本当のことは目に見えないのか?」 | 「“ピアノで脳の働きが良くなる”ってホント?」 |
「星空の向こうに出会いはありますか?」 | 「魚も迷子になりますか?」 |
「“ヒアリ”のホントの怖さって?」 | 「ホントに鳥は飛びたいのか?」 |
「あの日の“カラダ”に戻れるって!?」 | 「僕はなぜ納豆を食べるようになったのか?」 |
「なぜドリアンは“果物の王様”なの?」 | 「僕たちの目はいつからついてるの?」 |
「キノコって木の子どもなの?」 | 「僕はどこからきたのですか?」 |
「インフルエンザに何度も“とりつかれる”のはなぜ?」 | 「“へそ”はどうしてついているの?」 |
「なぜ恋はさめてしまうのか?」 | 「“誰だっけ?”をなくせますか?」 |
「独り言をつぶやくのはなぜ?」 | スペシャル「“生命”にきまりはありますか?」 |
「4色ボールペンって便利なの?」 | 「かけっこが速いのは親譲り?」 |
の30テーマ。「言われてみると確かに疑問だ!」と思うことばかりじゃないですか?
この番組を見ていると当たり前だと思い込んでいる日常には、実は不思議や疑問がたくさんあって、それを意識するかしないかで、日常の景色が違っているのかもしれないと思わされる。「毎日が退屈だ!」と思っている人には特に一見の価値有りだと。
又吉直樹のヘウレーカ!(番組HPより引用)
お笑い芸人で作家の又吉直樹が、「言われてみればどうして?」という暮らしに潜むフシギを見つけ出しひも解く教養バラエティ!
「ヘウレーカ」とは“わかった”“発見した”という意味で古代ギリシャの科学者、アルキメデスが「アルキメデスの原理」を発見したときに、嬉しさのあまり裸で「ヘウレーカ!」(古代語の εuρηκα)と叫びながら街中を走った、という故事にちなんでいます。自然科学を中心に様々な分野の研究者と語らい、又吉の文学的感性はもう爆発寸前!?
NO.09 御朱印
出かけるきっかけになるし、コレクター心もくすぐられるから★★★☆☆
御朱印(ごしゅいん)とは、簡単に言うと神社や寺院を『参拝した証』としてもらうもので、神社や寺院の名前、参拝した日付、印章、印影などが記載されている。「もらう」と言っても300円~500円くらいを支払って(納めて)書いてもらうのが普通。
御朱印は、もともと自分が書き写したお経(写経)を神社や寺院へ納め(納経)て、その証としてもらう印のことで、それが江戸時代頃に納経をしなくても参拝の証として、印がもらえるようになったと言われている。『お経』というと寺院を想像するかもしれないけど、江戸時代以前は、神仏習合(日本にもともとある神の信仰(神道[しんとう])と外国から入ってきた仏教の信仰が1つになった宗教の考え方)の時代だったから、神社に納経することもあって、神社と寺院の区別がほとんどなかったと言われている。
御朱印の起源には諸説あってはっきりとは分かっていないらしいけど、御朱印は『納経印』と、御朱印帳(御朱印を書いてもあるノートみたいなもの)は『納経帳』と呼ばれていたことを考えると、その起源は六十六部廻国聖(ろくじゅうろくぶかいこくひじり)というものに辿りつくらしい。六十六部廻国聖というのは、江戸時代に法華経というお釈迦様の教えをまとめたお経を66回写経して、それを日本全国にある66か所の霊場に一部ずつ納めていく巡礼のことで、そのときに納めた証として納経帳に納経印をもらっていたことが、御朱印になったのではと言われている。
と、ここまで御朱印の歴史について僕が調べたことを紹介してはみたけど、これで「御朱印を集めてみよう!」と思う人はほぼいないと思う(笑)。僕が御朱印集めを始めたきっかけはお正月の恒例行事『七福神めぐり』で、それまでは御朱印の存在すら知らなかった。御朱印をもらい始めたらコレクター心がくすぐられているのか、七福神めぐり以外の御朱印も集めたくなっている自分がいる(笑)。こんな僕みたいにやってみると意外とはまるかも(笑)。