こんにちは!松葉教室中一国語講師の鈴木杏です。
遅くなりましたが、今年は生徒と一緒にどんどん成長していく年にしたいと思っています。どうぞ宜しくお願いいたします!
今回はいままでお話ししていた「授業でやらない国語」から一旦離れて、いただいたテーマ「冬の思い出」についてお話させていただきたいと思います!
「冬の思い出」といってもざっくりしていますが、読んでる方は何か思いつくでしょうか?
私のなかで”冬”といえば、高校時代に毎朝感じていた”空気”を思い出します。
私は北柏駅から合計片道一時間半ほどかかる高校に通っていたうえ、七時四十分から部活動の朝練習をしていました。そのため五時五十九分発の電車に毎朝乗っていました!今考えると高校生の私は随分とタフであったように感じます。
まだ日も登っていない、月や星もきらきらしていて空気がキンと冷えた朝の道を自転車で駆け抜けるのはとても寒かったですが、なんだか気分がしゃきっとして私は大好きでした。”冬の朝の匂い”というものを今でもよく感じます笑
国語講師らしくちょっとだけ国語のお話をすると、清少納言が書いた「枕草子」は読んでくださっている方もご存じだと思います。今で言う”エッセイ”として爆発的な人気を持った作品です。その中に、「冬はつとめて。雪の降りたるはいうべきにもあらず」という文があります。「冬は早朝がよい。雪が降っているのは言うまでもなくすばらしい!」と褒めているものですが、私と似たような気持ちでいると考えるとなんとなく不思議な気持ちになります。
この流れで、同じ平安時代に書かれた「更級日記」の筆者兼主人公の藤原孝標女もご紹介したいと思います。「私は幼いころ、成長したらもっと美人になって物語の主人公のようになれると思っていたなぁ」と言いながら子どものころの思い出を日記調にしていく彼女のお話ですが、今の私たちと同じように好きな本を夜遅くまで読みふけったり、どうにか手にいれたい!と願ったり、読んでいてとても共感できます。最初のうたい文句もなんだかわかる気もします。
私は国語のなかでも一番古典作品に読み応えを感じています。
古典、というと読みづらい、話がおもしろくない、と一瞥してしまう人や苦手意識をもってしまう人も多いと思いますが、時代は違えど同じ人間。共感できるお話もたくさんあります。
ぜひ、この冬に温かい飲み物片手に読んでみてはいかがでしょうか