NGSとiPhone

クセジュの日常

(最終更新日

こんにちは!松葉教室の原薗です。

 私事ですが、先日(また)神戸に行ってきました。今日は神戸で見てきた最新技術のお話をしようと思います。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

ニュースなどで、遺伝子鑑定という言葉を聞いたことはないでしょうか?刑事事件などで聞く機会があるかと思います。遺伝子とは、ヒトの設計図のようなもので、個人個人で異なります。この世で同じ遺伝子を持っているのは、一卵性双生児の双子だけです。同じ遺伝子を持っている人はこの地球上に(よほどの奇跡がおきなければ)いないので、個人の特定に利用できます。また、遺伝子は両親から引き継ぐことから、親子鑑定にも活用されています。

 この遺伝子を”読もう”と、昔から研究が進められてきました。今世紀に入り、Next Generation Sequencer(NGS:日本語では次世代シークエンサー)と呼ばれる機械が売り出され始めました。最近の技術革新により、小さいものではこのくらいの大きさになっています。この大きさでもちゃんと遺伝子(ACGTから成る塩基配列)が読めます。

ボールペンくらいの長さですね!
真ん中の灰色の機械はMinIONと言います(ミナイオンと呼びます)。右の機械はスミジオンと言うそうです。ミナイオンはUSBでパソコンに繋いで使いますが、スミジオンはなんとiPhoneに繋いで使うそうです!お手軽ですね。

 昔は研究室に細胞や血液を持ち込んで、長い時間と大金をかけて遺伝子を読んでいましたが、今では屋外でも1時間ほどで遺伝子が読めてしまいます。ここまでお手軽に読めると、いろんな使い道がありそうです。寿司屋のマグロが本当にマグロなのかとか、お米の産地が誤魔化されていないかとか笑。もちろん、真面目な用途にも使えます。安く読めることから、個人の遺伝子を読み、病気のかかりやすさを判定するサービスが広まりつつあります。まだ日本ではメジャーではないのですが、アメリカでは徐々に浸透しているようです。現在は会社によって診断が異なるなど、手探りの段階ではありますが、これからどのように発展していくのか楽しみですね。


(Togo picture gallery より)

バイオインフォマティクス(生き物の遺伝子などの情報を研究する学問)はまだ若い分野ですが、技術の進歩は目覚ましいものがあります。今後さらに身近になりそうですので、今のうちからチェックしておくといいかもしれません。