予備ページ

未分類

(最終更新日

クセジュ保護者の皆様へ

クセジュ流AL型学習法の取り組みについて

 4月から約2ヵ月間ほどライブ配信授業(ZOOM)を行ってまいりました。保護者の皆様の常日頃からのご理解、ご協力によってうまく稼働しております。この場を借りて御礼申し上げます。通常授業および質問や個別対応を行うアウトプットルームなどすべてオンラインで行う中で保護者の方々から「ライブ授業が行われていることによって学習環境が担保されて助かっている」という声を数多く耳にします。その一方で「ただ聞いているだけで学力が身についているのか心配」「ノートをとっているのか、先生の話を聞いているのかわからない」といったご不安を抱えている親御さんもいると思われます。

 クセジュは対面授業の時からクセジュ流AL型学習法(以下AL法)を取り入れその浸透に努めてまいりました。この手法で高い学力に繋がったという声が数多くある一方でただ言われたことを無自覚に行う、AL法の目的を理解せずにただ手段として行っている、AL法自体が浸透していないという状況も散見されます。

 上述した様々な問題を解決するため、さらにはライブ配信授業をより効果的に受けてもらえるようにするため、そして生涯役に立つ情報収集能力を高めるためにライブ配信授業の中でも5月からAL法を徹底しております。特にライブ配信授業においても利用できるようAL法をコンパクトにまとめ、担当講師全員で徹底に努めております。ここであらたにまとめたAL法の流れをもう一度ご紹介します。

1.クセジュ流AL型学習法の目的

メタ認知力※を活性化させることで主体的学習に結び付ける。それと並行して手段と目的が混同した表面的な学習にエネルギーを注ぐことで勉強に対する自信を失う生徒を絶対に出さない。
※メタ認知力は自分自身を俯瞰的に見ることによって自分は今何がわかっていて何がわかっていないかを判断しながら足りない部分を補完していく力

2.手法
以下4つのステップを総称してクセジュAL型学習法と再定義をします。

【ステップ1】 授業時や家庭学習時の基本作法

「疑問に対する3つの作法を完璧にする」
3つの疑問に対する作法を徹底し、授業中と家庭学習時にそれを習慣づける。
(3つの疑問)
・初めて知った 〇印で囲む
・わからない  波線を引く
・忘れていた  □で囲む

【ステップ2】 知識を定着させる作法

「身につけるべきことを一極集中させ頻繁に触れる」
知識を教科ごと、分野や特性ごとに一か所にまとめ頻繁に触れる(読む、書く、ビジュアライズする、物語にするなど)。あくまでその目的を達成するツールの1つとして単語帳があり、単語帳を作ることが目的ではない。

【ステップ3】 テストの準備をする作法

まずは以下のテストの2つの意義をしっかりと浸透させる。
○ 学力をつけるため(だからこそ準備が必要)
○ 学力がついたかどうかを確認するため(だからこそテストのやり直しが必要)

2つの意義を理解させたうえで3D政策に結びつける。3D政策(3つの“~どうか”に注目しながら学習する手法)自体もメタ認知力活性化の1つ。特に手段が目的化しないようにするために常に3Dを意識する。
○ わかっているかどうか(自分の言葉でまとめる目的)
その後知識を身につける作法に沿って覚えるべきことを身につけていく。

○ 身についたかどうか(ワークや問題集をやる目的)
知識を身につける作法と同時進行でやるのも時間効率を考えるとあり。ただしこの場合問題集をやる際もステップ1の疑問に対する3つの作法を意識しながら実行し、その中で知識を身につける作法につなげる。

○ 忘れていないかどうか(問題集を繰り返し行う目的)
問題集を何度も繰り返しやる行為は身についているはずのことがきちんと身についているか確認するためにある。よって3種類の問題集をやる前に1種類を3回やったほうが良い。またこの“忘れていないかどうか”にこだわる人ほどテストで高得点をとる。

【ステップ4】 テストや問題集のやり直し作法

これはテストの2つの意義とも直結するのでとても重要。普段の学習の中に自然に取り込まれるようになることが最終目的。

①疑問に対する3つの作法をベースにやり直しをする。
●波線(理解できていないこと、よくわからないこと)
波線部は理解出来た後ならば簡単にやり直しができる。理解できないままならばあとで質問できる。いずれにしても可視化できているところがポイント。

●〇印(テストを受けること、問題を解くことで初めて知ったこと)
理解することが前提(人によって個人差あり)でその後知識を身につける作法に移行する。

●□印(テストを受けること、問題を解くことで思い出したこと)
〇印と同じで理解を前提にして知識を身につける作法に移行する。

疑問に対する3つの作法をベースにやり直しをしたら最後に
●3D政策の忘れていないかを導入し繰り返しやる。
を行う。
これら一連の作業を例えば英語科が奨励している※HUP確認のような形でセルフチェックできるようになれば学習に対してよりハイレベルな議論を生徒とできるようになり、結果として高い学力に繋がる。

※HUP確認・・・問題を解き終えた後にH(have:知っている)、U(understand:理解している)、P(practice:練習してアウトプットできる)のどのレベルまで達成したかを確認する。英語のテキストはこのHUP確認ができるようになっている

② “ 伸びしろ ” 理論(クセジュが行ってきた究極のプラス査定)
①の□印やケアレスミス(数学の計算ミスや問題をよく読んでいないなど落ち着いてやれば出来ていたミス)は大人マニュアルに記載している“伸びしろ”理論に沿って伸びしろと捉え実際に数値化する。その結果自分はあと何点取ることができたという事実を得るほうがモチベーションにもなるし、その後の戦略が立てやすい。最終的にインプットはされているのにアウトプットが足りないという結論に帰結する。そのアウトプットはHUPのPに当てはまる部分でもあるが教科によってある程度その手法を定める。一番良いのは自分でその手法を見つけること。

3.ライブ配信授業におけるAL法導入の現状

学年ごと、教科ごとに異なりますがこの手法をライブ配信授業でも取り入れることで積極的にカメラをオンにする生徒、ノートを見せてくれる生徒が増えています。

特に顕著なのは

  • 質問が増えた
  • 質問の質が上がった
  • 前回の疑問を解消して授業に臨む生徒が増えてきている
  • わからないところをアウトプットルームで解決しようとする生徒が増えてきている

ことです。つまり生徒の意識は格段に上がっています。そこで生徒の質問例(中2英語 現在完了)を挙げます。

質問:何で、wentがbeenに変わるのですか?

解答:上の文を訳すと「私の父は三日前に東京に行った。彼はまだそこにいる」となっています。
これは「私の父は3日間ずっと東京にいる」と言い換えることができるので
「ずっと〜にいる/have been in~(表の一番右側)」の知識を使い、下段の文となっています。初見ではなかなか難しい問題ですよね、これを読んで納得できたら、もう一度解き、のヒントで解けるようになったらHUPのPの□にチェックマークをつけてください。

質問:dead とdyingの違いは何ですか?

解答:良い質問です!deadは形容詞、dyingはdieという動詞の〜ing形となります。それを踏まえた上で
dead/死んだ状態
dying/死んでいる(死んでいない状態から死んだ状態に変化している途中→死にかけている)という意味になります。

質問:疑問文はHaveからはじまるんですか?

現在完了の疑問文の作り方が分かりません
解答:現在完了=have+過去分詞のhaveは、助動詞のような役割となっています。
故に、can/may/must/shouldなどと同様に、疑問文にすると気にはhaveを前に持ってきます。
ちなみに、否定文も同じようなルールになっていて、haveの後ろにnotをつける形になっています。さらにちなみに、大昔は一般動詞を先頭に持ってきて、疑問文を作成する表現もありました。Like you a cat?のように。先頭に移動することで疑問文を作る」ことは英語のベースの考え方の一つとなっていたようですね。

 これらはほんの一例ですが、こういったやり取りがAL法浸透によって4月のライブ配信授業開始時とくらべると3倍から4倍に増えています。これは英語以外の教科にも当てはまります。対面式授業ではなかなか質問できなかった生徒もライブ配信授業では質問をチャットで受け付けるので授業を担当する講師以外のサポーターが質問を編集し講師が後から上記のような形で返答したり、サポーターが直接答えたりすることができます。

一方で問題点は以下の通りです。

わからない(波線)の分類がまだまだ甘い生徒が多い

分からない場合は
・知らない
・忘れている
・理解できていない
の3通りあります。同じ分からないでも上記の3パターンに区別して自分で調べたりできるようになることを目指します(“わからない”の質向上プロジェクト)。

恥ずかしいという理由でビデオをオンにしない生徒がいる

ディバイス(スマホ、パソコン、タブレットなど映像を見る機器)の環境によってオンにできない場合はしょうがないですがただ恥ずかしという理由だけでオフにしている生徒もいます。その場合ノートの確認、特に疑問に対する3つの作法の確認がなかなか難しくなります。ノートを見る時だけカメラオンに切り替えてもらうなどこちらも工夫していきます。

アウトプットルームを積極的に利用しない

これは生徒自身の積極性や学ぶことに対するモチベーション、当事者意識の有無の問題もありますが「ALを浸透させていく中で自然とアウトプットルームを利用したくなるような仕掛け」を用意することを目標にしていきます。中には強制的に参加させる場合も有りますが長続きしませんので根本的な問題解決を図っていきます。

4.保護者の方へのお願い

 今後対面式授業が徐々に再開されていくことになりますが、平常時に戻ったとしてもライブ配信授業やアウトプットルーム、そしてリフレッシュルームのような取り組みはより洗練させた形で続けていく予定です。またこのような有事の時に「学べることのありがたさ」を感じてもらい普段当たり前のようにあることの重要性を生徒たちに認識させたいです。有事のときこそ飛躍のチャンスであるというメッセージも送り続け将来「ピンチをチャンスに変えられる生き方」をして欲しいと思います。

そのためにも以下の点をご協力ください。

AL法浸透に向けてのサポート

・クセジュのAL法の手順を理解する
・カメラをオンにしてもらうことへの協力
・小学生の保護者の方は疑問に対する3つの作法を一緒に確認する
あたり前に存在することのありがたさや意義を家族で考える機会を作る
特に家族間でそれぞれ「あたり前に存在するものに対するありがたさ」が何かを話題にコミュニケーションをとってください。

反抗期のお子様に対しては課題の分離(親の問題と子供の問題を分けて考える)をする

・子供の問題は子供が解決する。親は必要な時に環境を与えるというスタンスをとる
・自分の問題のようにうるさく言わない(第三者である我々に相談する)。
・第三者の協力を仰ぎながら子供の当事者意識を高める。

子供が主体であり主人公であることを常に心がける

親とクセジュの先生の間で勝手に決めるのではなく子供も交えて学習に対する約束事を決める。

メールやホームページの最新情報を常にチェックする

今現在ご家庭への連絡のメインはメールかホームページで。ホームページトップにある緊急時掲示板は常にチェックし最新の情報にご注目ください。(同時にメールでもお伝えします)。

その他何かご不明な点があれば所属教室かクセジュ本部にご連絡ください。今後とも宜しくお願いします。

クセジュ代表 鈴木久夫