理科と社会を中1から学ぶこれだけのメリット

クセジュの日常

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千葉県の入試は3科から5科の時代へ!!

 千葉県の平成29年入試において1つの大きな衝撃がありました。それは、千葉県屈指の難関私立高校である市川高校が5教科での入試を始めるというのです。これを皮切りに、平成29年入試では近隣の芝浦工大柏高校と土浦日大高校が5教科入試を開始し、平成31年入試からは江戸川学園取手高校が相次いで5教科での入試を開始します。

 私立高校がこのような5教科の入試を始める背景に、国立大学の合格実績を出したいという想いがあると読み取れます。千葉県の私立高校は渋谷幕張高校、東邦大東邦高校、市川高校の御三家が実績を競っていましたが、近年は渋谷幕張高校の一人勝ちという状況です。特にその1つの指標となる「東大合格者数」では他に4倍程度の差をつけています。市川高校を始めとしてこのような状況を打破するためには、中学時代に5教科をしっかりと学習した生徒を集めたいという狙いがあるのでしょう。

 

学校だけでは対応できない!?高校入試の社会

 昨今の首都圏の入試において、中堅以上の高校への進学を目指す場合に、進学塾へ通うというのはもはやスタンダードになっていると言えるでしょう。学校の進路指導においても、進学塾での進路指導に基づいて三者面談などが行われることもあるようです。

 多くの進学塾では、中1から高校入試に向けた取り組みを少しずつ行っていきますが、基本的には中3から本格的な受験指導が始まります。中1や中2においては英語と数学を軸に授業が進められ、学校で行われる定期テストの際に他の教科を補っている程度といったケースが主流と言えるでしょう。

 これは、英語や数学が積み重ねを必要とする教科であることが背景にあります。例えば、「一次方程式」が習得できていなければ「連立方程式」や「一次関数」といった単元が理解できなくなることからも容易に理解できますね。

 一方で、理科や社会の定期テストの問題は直前に学校で支給されるワークなどの教材を反復すれば容易に得点でき、学校での成績はそれらで担保することができます。また、理科と社会は積み重ねの要素が少ないですから、中3の入試が本格化した時期に始めればどうにかなるというのが多くの進学塾の見立てと言えます。

 

 

難化する入試!!千葉県公立高校の入試問題は、社会の平均点が50点台!

 ところが、そのような考えは大きな誤りであるということは、最近の千葉県の入試を見れば一目瞭然です。例えば、平成30年の千葉県公立高校前期入試の社会科の平均点は54点であり、非常に難度が高いと言えます。それに対して、県立トップ校である船橋高校や東葛飾高校の合格者の5教科合計の平均得点は450点程度であり、各教科平均で90点の得点をしている計算になります。ですから、高校入試で上位校の合格を勝ち取るためには、理科と社会を着実に学習する必要があるのです。

 その一方で、多くの中学生は中1から中2において、理科と社会の学習は日々の学校の授業と定期テストのみ、さらにその学習方法も暗記型の詰め込みになりがちで、体系的な理解ができているわけではありません。そのような「短期記憶」が中心の学習は、テストが終わればすぐに忘れ去られてしまうでしょう。ではなぜ県立トップ校に合格する中学生の理科と社会が強いかというと、

①理科と社会に興味を持たせやすい環境が既に家庭内にある、

②論理的思考力や記憶力に優れ、学校の授業だけで体系的に理解できている(要領のよい子)、

③進学塾のトップクラスにいる(大手塾の進学塾は中1から理科と社会の受講が必須であることが多い)

のいずれかである場合が多いでしょう。

 上記の①と②については別の機会に記事にするとして、③はどういうことなのでしょうか。実は多くの大手塾は最難関校を目指すコースを通常のコースと別に設置しています。首都圏最難関の私立高校である開成高校や渋谷幕張高校、筑波大附属駒場などの国立高校は5教科の入試です。また、いずれの教科も難度が非常に高いですから、そのようなコースは必然的に5教科の受講が必要になります。このようなコースでは入念に理科と社会の学習が行われているのです。

 

体系的に学ぶ理科と社会

 では、どのような学習が必要なのか。それは体系的、すなわち因果関係を理解することに他なりません。平成30年の市川高校の入試問題を例に挙げて説明します。この設問では、「産業革命」・「帝国主義」・「資本主義」・「社会主義」・「労働運動」の関連性を理解しているかを問うています(平成30年の千葉県公立高校入試でもこの箇所は出題されました)。上位校を受験する多くの受験生はこれらの用語は知っています。少々得意な受験生であれば、それぞれの用語の説明をすることもできるでしょう。ところが、「なぜ帝国主義政策をイギリスが行ったか?」と受験生に問うと、多くが回答に困るはずです。ここが最上位を目指す受験生の違いなのです。このような部分は、中3から受験に向けて理科と社会を学習するような進学塾では扱うことができません。理由は簡単なことで、そのような細部を扱う時間はとることができないからです。ですから、最難関の国私立高校や公立のトップ校を目指すには理科と社会を中1からカリキュラムに組み込んでいる進学塾を選ぶ必要があります。

 

実は勉強に苦手意識を持っている子ほど理科と社会を勉強すべき

 勉強が苦手なお子さんを持っている保護者の方ほど、「あまり負担にならないように」との気持ちから、教科数の少ない進学塾を選びがちです。実はそこに大きな落とし穴があります。千葉県の公立高校入試の国語や数学は点数の分散が非常に小さく(平均点付近に得点が集中している)、他の受験生と差をつけることが難しいのです。ところが理科や社会は一様分布になっており、学習している受験生とそうでない受験生の差が如実に出ています。また、理科と社会は教科上の特徴として、努力と比例的に得点力がつく傾向が強いのです。

 また、入試だけではありません。理科と社会は現実世界との結びつきが非常に強い教科ですから、子どもにとって勉強に興味をもつきっかけになりやすい教科でもあります。これは知的好奇心が高いうち、つまり学年が低ければ低いほど効果的です。思春期を過ぎるとこの好奇心は学習以外のものに向かうことが多くなります。中1はそのような意味で学問への好奇心を刺激する最後のチャンスであるとも言えるのです。

 ですから、長期的な視点で見れば、子どもの状況に関わらず5教科のカリキュラムを設定している塾で選ぶことが最適解であるのです。

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