スピーキング力は「発音」と「英作文」で鍛えろ

スピーキング力は「発音」と「英作文」で鍛えろ

 巷で話題になっているスピーキング、ついに2022年度の東京都立高校の入試問題で「スピーキングテスト」が導入されることになりました。これからスピーキングテストはどんどん広まっていき、なんとなく重要であることはわかるものの、「スピーキング力」はどのように鍛えればいいのか、明確な方法がまだ確立していません。

◆なぜ「スピーキング」が苦手なのか?

①→正しい発音ができていないから

次の発音の英単語はなんでしょう?

「タノー」

 

 

 

正解は、「トンネル/tunnel」です。

tunnel を「トンネル」と発音してしまっている人は、「タノー」と聞いても何の単語か判別できません。このギャップがスピーキングを難しくしてしまっているのです。

 

◆なぜ「スピーキング」が苦手なのか?

②→英作文力が低いから

次の内容を英語で言ってみてください。

「このお肉はもう腐っているよ」

「腐る」という英単語を知らないとします。そうすると一見英語で言えない気がしてしまいますが、そんなことはありません。これでいいのです。

「Don’t eat it.」

このように、厳密に英訳できなかったとしても、伝えたいメッセージが伝わればいいのです。悲しいことに日本人の英語学習者は自分に厳しく、減点評価をしてしまう人が多いです。スピーキング訓練をするときは、ストイックさは捨て去り、「ざっくりシンプルに言えればOK!」という気楽さが必要なのです。

 

◆「スピーキング力」の鍛え方① 発音訓練の方法

 最も手っ取り早いのは、「好きな洋楽を一曲丸ごと歌えるようになること」

リエゾン、リダクション、フラッピング等、英語の発音における注意点はたくさんあります。しかし、言語学習のベースは「真似すること」しかも、「歌」ではそれらの注意点が全て意識されていることが多いので、歌を一曲「完コピ」できれば、自然と正しい発音も身につきます(しかも楽しい!!)

 

◆「スピーキング力」の鍛え方② 英作文訓練の方法

 「このお肉は腐っているよ」→「このお肉は食べられないよ」

というように、日本語を、よりシンプルな日本語に「変換」する力を鍛えれば、それだけでも英作文力は鍛えられます。

 

そこでオススメなのが、一つの日本文を様々な表現で言い換える訓練です。

例)私は学生です。

  =私はいつも勉強しています。

  =私は学校に通っています。

  =私は学業に専念しています。

  …

こういった書き換えを柔軟に思いつくようになれば、自分の知っている単語をなるべく多く使ってスピーキングをすることができます。

(「専念」は英訳できないが、「通う/go」は英訳できる)

 

◆そもそも「スピーキング」ひいては「英語」を勉強する意味があるのか?

 ここまでの話を全てひっくり返すようですが、翻訳機のテクノロジーがいよいよ実用段階に入るこの時代、外国語を全く学んだ事のない人でも、コミュニケーションデバイスを活用することでタイムラグや内容の誤差がほとんどない「会話」が外国人とできるようになります。では「入試で得点すること」以外で英語を学ぶ意味はどこにあるのでしょうか?

 

◆言語が変わると得意分野が変わる  〜「左/右」が存在しない言語〜

 ある国では、日本語でいう「右」と「左」に対応する単語がない言語が使われています。つまり、その国の人々には「左右」の概念が存在せず、方向に関する単語は「東西南北」しかないのです。我々の感覚からするといかにも不便そうですが、その代わりにその言語を話す人々は方向感覚が抜群に優れており、森の中を歩き回っても、長時間車で移動しても、常に正しく「東西南北」の方向を指すことができるのです。

 彼らの鋭敏な方向感覚のように、言語が変われば研ぎ澄まされる感覚、強化される思考の種類も変わります。我々日本人であれば、日本語の曖昧さに起因する「空気を読む力」、四季折々を細分化する語彙による「四季の情緒を発見し、感動する力」などがそれにあたります。

 英語を学ぶからには、ただ英語を話せるようになるだけでなく、英語という言語の「得意分野」を感じ取りながら、日本語だけを話すことでは身につける事のできない力を伸ばすことにこそ価値があるのではないでしょうか。

そういった英語学習に興味がある方は、是非学習塾クセジュで一緒に学びましょう!