こんにちは、新松戸教室の理系講師小瀬戸です。
現在、中1の数学では1月・2月を通して立体図形の分野を扱っています。
立体図形というのは身近に数えきれないくらい存在していますが、実は苦手意識を持ってしまいやすい分野なんです。
その原因はやはり、実物がない時には、頭の中で考えづらいということだと思います。
そのため、空間図解分野を扱う際はなるべく実物を用意して考えることで、立体図形のイメージ=空間把握能力を養おうとしています。
このあいだの授業でも実物を使いながら立体図形の授業をしていたところ、ある生徒からこんな疑問が出てきました。
“球体の展開図はどうなるんだろう”
確かに、球体の展開図というものを実物で見るという経験はなかなかないと思います。
実際、私も実物を見たことはありませんでした。そのため、その次の授業で実際にどうなるのかというのを球体の展開図を作って考えてもらいました。
球体の展開図を作るうえで考えなければならないのが”曲線”の存在です。
皆さんのご存知の通り、曲線を表現する上で登場してくるのは、円周率です。この円周率というのは終わりがなく、綺麗に表現することができません。
そのため、実は球体の表面積というのは存在せず、球体にかなり近い表面積しか存在しないのです。
実は球体の展開図は世界地図として日常でも使われているのですが、上の理由から地図と実際の地球との間には、常にズレが生じてしまうのです。
数学の世界ではこのあたりの問題を考えるために、球面上での長さなどを考える”非ユークリッド幾何学”という分野も生まれていきました。(ここでは詳細は割愛させていただきます。)
このように、ふとした疑問が学問の深みへと繋がるというのはよくあります。
そのため、ふとした疑問を大事にして、自ら調べてみる。
生徒たちがそんな大人になってくれたら嬉しいですね!