社会科が苦手(嫌い)な人への処方箋

クセジュの日常

(最終更新日

社会科が苦手(嫌い)な人への処方箋

前回のブログでは理社を学ぶメリットについて書きました。

そこで、今回は社会科が苦手な人へのアドバイスを書いていきます。

  1. なぜ苦手意識を持ってしまうのか?
  2. 好きになるための心構え
  3. 具体的な学習方法
  4. 参考書籍や教材

①なぜ苦手意識を持ってしまうのか?

  

 社会や理科が苦手という子どもが出てくるのは、ほとんどの場合が中学校からであるといえるでしょう。というのも、子どもたちにとって社会や理科が苦手と感じるシーンが小学校においてはほとんどないからです。

 国語であれば、漢字や作文など、算数であれば計算問題などがうまくいかず苦手意識を持つということがしばしばあります。しかし、社会であれば「何かを知る」ことが学習の中心ですから、「わからない」、「できない」と感じるシーンはほぼないですし、理科においても観察や実験が中心で、やはり「何かを知る」ことに重きが置かれており、社会と同様であると言えるでしょう。

 

 答えは覚えるのが苦手(嫌い)だから

 ところが中学校に入学すると、社会科が苦手な子どもたちが現れます。その背景には、定期テストでアウトプットをすることが求められるという点があるでしょう。しかも、定期テストで問われることの多くは「用語」です。その数も小学校と比較すると非常に多くなります。これがうまく覚えられないと、テストにおいて得点することができず、不幸にも「社会が苦手」というイメージを持ってしまうのです。ですから、社会が苦手な子どもにその理由を聞くと、多くは「覚えられないから」という返答が返ってきます。

 

 このような状況に陥らないために最もよい方法は、早い段階で社会という教科に対する興味や関心を高めることです。好きな音楽やスポーツ、芸能人のプロフィール、小説のセリフ、興味と関心が高いものであれば、いともたやすく覚えることができるということはだれしも経験があるのではないでしょうか。

 

②好きになるための心構え

  

 社会に興味や関心を持つように育てると言われても、それは簡単なことではありません。しかし、保護者の関わり方が大きな要因を占めることは間違いありません。その際に最も気を付けなければならないことは、「無理強いをしない」ということです。保護者が主導で歴史にまつわる本を読ませたり、テレビ番組を観させたりすることは逆効果です。あくまでも、子ども側が主導でなければならないのです。そうでなければ、子どもには「やらなくてはならないこと」というものとしてインプットされます。多くの子どもが学習を嫌うのと同じ理由です。

 では、どうすればよいのか。最も簡単な方法は保護者自身がそれを楽しんでいる姿を見せることです。保護者が面白そうに大河ドラマを観たり、紀行番組を観たりしていれば、子どもも一緒になって楽しみます。歴史小説を夢中になって読んでいれば、リビングに置いてあるその本を子どもは保護者が見ていないときに手に取るのです。

 そして、子どもの側から「問い」が出るようになれば、しめたものです。答えられればそれでもよいのですが、あえて子どもと一緒に調べるのもよいでしょう。子どもが知識の獲得の仕方を学ぶ貴重な機会にもなります。子どもたちにとって、このような経験をすることは案外多くありません。このように、保護者が「何かを知る」ということを「楽しい」こととしてとらえていることが重要なのです。

 

③具体的な学習方法

 しかし、中学生くらいになるとそれも難しくなってきます。思春期を迎えれば、ある程度その子どもの性格や趣向なども意識づけられてきますから、上で述べたような取り組みもなかなか難しいものになってきます。また、高校入試がある以上、苦手や好きでなくても一定の学力をつけなければなりません。そのようなときには何に気を付けて学習をしていけばよいのでしょうか。それは、苦手になったプロセスを考えれば突破口が見えてきます。多くの生徒は「覚えること」がネックだったわけですから、それとうまく付き合っていくことが必要になります。

 

地理を最初に学習する

 地理は、中学校で扱う社会科の3つの分野において、最も覚えることが多くありません。思考力を駆使すれば、少ない知識でも入試問題に太刀打ちすることができます。しかし、その「思考力」を子ども自身で身に着けることは難しいですから、専門的な学習塾で学ぶ必要があります。社会は「暗記教科」であるというフィルターを取りはずす狙いもあります。もし、保護者自身がそのように思っているならば、まずはそこから意識を変える必要があると言えます。

 

用語を覚える学習に偏重しない

 学校の定期テストでは用語を問われることが多く、それを攻略することが得点する近道であると思われがちですがそれは大きな誤りです。社会の学習を始めるにあたって、赤ペンで書いた用語を赤シートで隠して覚えていくという学習方法を見かけますが、これは社会が苦手な子どもにとっては苦痛以外の何物でもありません。

 そもそも何の脈略もない言葉を暗記するということは非常に難しいことです。用語というのは、知識を木に例えるならば枝葉であり、根幹がないところに枝葉は育ちません。根幹とは、歴史で言えば「流れ」です。ですから、最初の段階では細かい用語など気にせず、ストーリーをしっかりと捉えることに重きを置くべきなのです。極端な話、最初の学習は「貴族→武士→国民」と政治の担い手が変遷してきたということだけでも構いません。

 多くの子どもたちがミクロ→マクロへと学習を進めて行きますが、それは最も非効率的な学習であり、マクロ→ミクロと学習を進めて行くべきなのです。

 

ノートまとめはしないでヴィジュアルを重視

 社会の根幹がない子どもがノートまとめをすると、参考書を写すだけの作業になってしまいがちです。今は書店に行けば多くのよい参考書があります。それらを購入したほうがよほど効果的です。また、学校でワークが支給されるケースが多いですから、それを用いたほうが良いでしょう。

 また、社会が苦手な子どもと得意な子どもの決定的な違いは、ヴィジュアルが思い浮かぶかどうかです。社会が得意な子どもであれば、「フランシスコ・ザビエル」と言われたときに、パッとあのザビエルの絵が思い浮かぶのです。ですから、ノートまとめのように文字に頼らず、資料集などに頼った学習が大事になります。

 

④参考書籍や教材 

  

 では、何を用いて学習すればよいのでしょうか。小学生の興味や関心を持たせたい時期であれば、歴史であれば「まんが日本の歴史」、地理であれば写真が多い旅行本など、公民であれば実際に見聞し、体感することが最も効果的です。興味も刺激されますし、ヴィジュアルがあれば印象にも残りやすく、なによりも楽しんで学ぶことができます。

 ただ、中学生になりひとたび苦手意識ができあがってしまったあとは難しくなります。年齢的にも保護者主導では難しくなります。それでも、中1や中2であれば学校の先生や塾の講師などの指導者が興味や関心を引く授業を展開することによって幾分改善されるのではないでしょうか。

 クセジュでは地理や歴史の繋がり、歴史と公民の繋がり、歴史と現代社会の繋がりなどを主眼においたカリキュラムで生徒たちの興味関心を引き出し、総合的な教養力を身につけるためのオリジナルテキストを使用しています。また副教材として「教科書よりわかりやすい世界史」(旺文社)を使用し、世界史から見た日本の姿を俯瞰的に捉えていきます。こちらの書籍はカラー刷りでイラストや地図なども豊富で、独学で世界史を学ぶ上でも入門書としてはオススメです。

 また、前述した大人が歴史を楽しんで学ぶという観点では、マクニールの「世界史 上下」(中公文庫)、同じくマクニールの「人類の結びつきと相互作用の歴史」、が網羅的に歴史の因果関係を学べるので良いでしょう。また、ジャレド・ダイヤモンドの「銃・病原菌・鉄」(草思社文庫)は、これらを通して世界史を見るという切り口になっています。

 世界史の知識がほとんどない、または忘れてしまったという方は「もう一度読む山川世界史」(山川出版社)をご一読ください。高校レベルの世界史の知識をストレスなくおさらいできると思います。世界史は地域ごとの歴史やテーマごとの歴史を扱う書籍がほとんどですが、上述した書籍は世界史を俯瞰的に学ぶことができます。これらを読むことにより、さらに地域史やテーマ史がおもしろくなります。また、「まんが~」シリーズは大人にとっても侮れません。対応とは言わないまでも大学入試レベルのことも記述されています。入門書としては最適と言えるでしょう。

 日本史においては、高校教科書レベルが習得できていれば「読むだけですっきりわかる日本史」(宝島社)などが読みやすいと思います。

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