先日、こんな質問を持ってきた小学生の女の子がいました。
「先生。風ってどこからやってくるの?」
その子が言うには、風がピューピュー吹くのは毎日のように経験するわけですが、風には限界がないのだろうか。果たして風の「貯蔵庫」はいったいどこにあるんだろう??
そんなことを思ったようです。
これらを解き明かすのは、「水文学」という分野の学問です。聞いたことない人も多いかもしれませんが、地球上の水がどのように循環しているのかを探求する学問です。水として循環する「河川水文学」という分野もあれば、水蒸気として循環する「水文気象学」という分野もあります。「気象」「天気」というとなじみがありそうです。
ところで、冒頭の問の解説をしていきたいと思います。
密閉した部屋を2つ用意し、片方の部屋に煙を充満させて、もう片方の部屋は空っぽの状態にします。部屋と部屋の間の扉を開くと、煙が移動していくと思います。その煙の移動がすなわち「風」ということになります。
空気がたくさんあるところが高気圧(煙が充満している部屋)、少ないところが低気圧(空っぽの部屋)だと思ってもらうと、「高気圧から低気圧に向かって風が吹くんだな」、ということがわかってもらえるのではないでしょうか。
この気象に関する内容は、中2の理科で詳しく学ぶ内容です。
また気圧の高低さによる風もありますが、それ以外に、地球が自転することで発生する風もあります。また海流の影響を受ける風もあります。山があることで発生する風もあります。風とはつまり、空気の移動のことです。地球上を毎日空気が移動しているのです。移動した先の風はまた何らかの影響を受けて再びどこかへ移動していくのです。
ちなみに冬は、シベリア気団という冷たい空気が日本付近にあります。これから迎える「梅雨」という季節は、オホーツク海気団という冷たく湿った気団と小笠原気団という暖かく湿った気団が衝突することで発生します。その衝突面では長い期間、雨が降り続けます。それが「梅雨」と呼ばれる季節です。その後、小笠原気団が成長していくことで、「衝突面」が北上していき、梅雨明けとなり「夏」を迎えるようになるわけです。日本の夏が蒸し暑くなる理由はこれでわかりますね?
このように、小学生の何気ない疑問一つから、色々な学びに発展していきます。クセジュではこんな「素朴な疑問」を大好物とする先生がいっぱいいるので、是非質問をぶつけてみてください!