小学生でもわかりやすい宇宙の話
~ケプラー宇宙望遠鏡~
先日こんなニュースがありました。
「ケプラー望遠鏡の燃料が尽きた」
2018年10月30日にアメリカの航空宇宙センターNASAが発表しました。
宇宙マニアの間では衝撃が走りました。
ケプラー望遠鏡と言えば、宇宙に関する数々の発見をしてきた望遠鏡だからです。
簡単にケプラー望遠鏡の紹介をしましょう。
私たちの住む太陽系の外には地球に似た星が無いのか、ひたすら宇宙空間で探査を続けてきた望遠鏡です。2009年3月6日に打ち上げられてから、およそ9年半もの間宇宙を遊泳していました。地球の後をつけるように、太陽の周りを公転していました。
ちなみに、その名前の由来となったヨハネス・ケプラーは、ガリレオ・ガリレイとほぼ同じ時期にドイツで活躍した天文学者です。
ケプラー式望遠鏡を発明したり、ケプラーの三大法則を発見したことで有名です。ケプラーもガリレオも科学に猛反発するカトリック教会と対立した話はとても興味深いですが、それはまたの機会に。
※ケプラー式望遠鏡とケプラー望遠鏡とは全くの別物です。
そんなケプラー望遠鏡が発見した新たな星の数は、実に50万個以上。
地球上からでは観測不可能とされていた、太陽系の外にある惑星が、ケプラー望遠鏡によって2600個以上も発見されたのです。平均して5個に1個は、地球に似た惑星だと言われています。
すなわち、地球外生命体が生存している可能性がある星がそれだけ沢山ある、ということです。
地球に似た惑星とはどんな惑星なのか。
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恒星からの距離がちょうどよいこと
近すぎては熱すぎてしまい、遠すぎると寒すぎてしまう。何よりも「液体としての水」の存在が生命には不可欠です。
そんなちょうど良い温度を保てる距離のことをハビタブルゾーン、と呼んでいます。ちなみに、太陽系においては、地球と火星だけがハビタブルゾーンにある、と言われています。
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大気があること
大気があるためには、それなりに大きい星でないといけません。
なぜなら小さい星は重力が小さくなってしまうため、大気がどんどん宇宙空間に逃げていってしまうのです。
火星はハビタブルゾーンに入っていても、小さすぎるため、生命が生きるための大気はとても少ない状態です。
この他にも、岩石や金属で出来ていること、火山活動があることなどが挙げられます。
木星や土星のようにガスで出来た星では、地上に降り立つことが出来ない以上、そこで生きていくことは出来ません。
火山で噴出するガスには、メタンや二酸化炭素、アンモニアなど、生命の体を作る重要な要素が沢山含まれています。これらが水中に染み込むことで、生命誕生の条件が整います。
このように様々な条件を満たした奇跡のような星が、ケプラー望遠鏡によって、次々と発見されていったのです。
そんなケプラー望遠鏡が、ついに燃料が尽きてしまい、その役割を終えました。
そしてケプラー望遠鏡は、地球から160万キロ以上離れたところを永遠と浮かび続けることになります。故郷である地球に戻ってくることはありません。
これからは、ケプラー望遠鏡が集めた大量の情報を整理して、今後の宇宙開発に活かしていくことになります。
最後に、ケプラー望遠鏡が発見した中で、特に地球によく似た条件の星をご紹介しましょう。
名前:ケプラー452b
地球からの距離:およそ1400光年(1京4000兆キロメートル。スペースシャトルで5000年ぐらい)
大きさ:地球の1.6倍
質量:地球の5倍
公転周期:385日
ハビタブルゾーン内
2015.7.23発見
岩石で出来ている可能性大で、火山活動をしている山もいくつかある可能性大