『ちょっとライトな教養講座』レポ

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みなさん。おはようございます。こんにちは。こんばんは。ブログということで、いつ読まれるか分からないので、一通りの挨拶をさせていただきました(そういえば、昔、アラレちゃんというアニメで「おはこんばんちは」という挨拶をしていましたね。閑話休題)。blog_space-9120242-3958840突然ですが、クセジュ高校部責任者の倉林と申します。blog_space-9120242-3958840さて、2023年11月28日にクセジュ高校部主催の『ちょっとライトな教養講座』を実施いたしました(ZOOMによるオンライン開講)。
あ、はい。こちらも突然ですね、すみません。こちらの講座について説明するには、まず、我々クセジュについて少々説明する必要がございます。しばしお付き合いを・・・space_bar-5591248-9174690231130a8-7607604-1489997space_bar-5591248-9174690我々クセジュは1984年12月に流山市江戸川台で産声をあげたのですが、創業当時から「受験で燃え尽きない本当の学力を身につける」ということを掲げて教育活動を行ってまいりました。
また、受験が終わった後も常に学び続ける姿勢が大切であるということも折に触れて発信してまいりました。
実は、クセジュ(Que sais-je ?)という名前も、フランスの哲学者モンテーニュが『随想録 エセー』の中で残した言葉で「私は何を知っているのか?」という意味でして。これは「自分の無知を自覚し、至らなさを意識することからまず出発する」という我々の姿勢を表しています。
そして、その目標をお題目で終わらせることなく、具現化するための様々な工夫をしてきました。例えば、1985年には…あ、はい。「その辺はホームページに書いてあるから、早く本題に入れ?」…すみません。要するに、クセジュ創設以来の指導理念に基づき、保護者の方対象(もちろん塾生も受けてOK)の教養講座を実施したという次第です。はい。blog_space-9120242-3958840手前味噌ではありますが、クセジュ高校部には指導歴40年近くの超ベテラン講師や、博士課程修了者など、専門性の高さでいうと、かなりのものがあると自負しています。blog_space-9120242-3958840今回の講座に先立ちまして第1回と2回目は岡 竜也(オカタツヤ)先生による数学の教養講座を実施しました。space_bar-5591248-9174690231130a5-8708339-6783885
岡先生は、筑波大学大学院博士課程数理物質科学研究科でHopf代数について研究をされていた、まさに数学のスペシャリストで、数学に対する深い造詣のみならず、それ以上に(?)深い数学愛から、現役の高校生相手に熱い熱い授業を展開しています。
その熱量のまま、保護者の方にも「数学がどのように発展し、衰退し、復権したか」という内容での教養講座を実施。保護者の方からも、「ためになった」「中高生の頃にこんな授業を受けたかった」と大変、好評をいただきました。blog_space-9120242-3958840で、今回、レポートする日本史の教養講座の担当者は高嶋 斉(タカシマ ツヨシ)先生です。
高嶋先生は、これまで市販問題集や予備校テキストの執筆、模擬試験の問題・解答解説の作成・採点基準の策定に加え、採点者への指導などに携わってきた、いわば大学受験界・日本史指導の「縁の下の力持ち」、まさに真の実力者なのです。

space_bar-5591248-9174690231029a-8313387-4615902そんな高嶋先生⬆︎の教養講座のテーマはこんなに変わっている!?日本史教科書の今blog_space-9120242-3958840本題に入る前に2022年度に起こった学習指導要領改定を説明する必要があります(本題に入る前が長くて、ホントに申し訳ない…)。今回の改定で、世界史と日本史の近現代史を扱い、文系理系問わず全員が学ぶ『歴史総合』と、日本史選択者が学ぶ『日本史探究』という科目が生まれました。これに伴い、教科書も大きく改訂されました。
ほとんどの方が学生時代に歴史を学んでから教科書を読むことはないと思うのですが、実は教科書は学習指導要領改定のたび、皆様の想像以上にその記述内容が変えられているのです。
そこで、今回の教養講座では、おそらくン十年前の教科書で日本史を学ばれたであろう保護者の方対象に「最新の教科書ではこんなふうに記述が変わっている」ということをテーマに講義を行いました。space_bar-5591248-9174690231130a6-3460911-8041455
ちなみにですが、日本史と言っても、分野も時代も多岐にわたるため、今回は「古代から中世・近世外交史」と「近世文化史」を中心に話を行いました。blog_space-9120242-3958840まず、1854年に締結した日米和親条約は、従来の教科書の記述では「幕府はイギリス・ロシア・オランダとも類似の内容の和親条約を結んで,200年以上にわたった鎖国政策から完全に転換した」と書かれていたのが「幕府はイギリス・ロシアとも類似の内容の和親条約を結んだ。これを「開国」というが,通商を認めなかったことから、薪水給与令と大差ないというとらえ方もあり、当時の人びとがみな、鎖国を放棄したと考えたわけではない」と大きく記述が変わった理由とその背景が説明されました。
「いや書いていること全然変わってるじゃん!」とのっけからビックリでした。blog_space-9120242-3958840その次は「古代から中世に渡る中国との関係」というお話。印象的だったのは、終盤、豊臣秀吉による朝鮮出兵の目的。blog_space-9120242-3958840従来は「中国を中心とする伝統的な国際秩序が明の国力の衰退により変化しつつあった。全国を統一した秀吉は、この情勢のなかで、日本を東アジアの中心とする新しい国際秩序をつくることをこころざし」という記述だったものが「秀吉は、明を征服した後には、後陽成天皇を北京に移し、秀次を中国の関白にすえ、秀吉自身は日明貿易の港であった寧波を居所とする構想を示した」に変わったというところで、まさに現在やっている大河ドラマでも同じことをムロツヨシ演じる秀吉が話していたので、思わず「おぉー」と唸ってしまいました。
ドラマでは、己の欲望のままに暴走する秀吉として描かれていましたが、実際は、明の国力が衰えたことを察知し、明を滅ぼし、日本の天皇を中国の皇帝にすえ従来通りの中国中心の国際秩序を守ろうとしていた。
「いや、全然、暴走してないじゃん!」
と目からウロコが落ちる思いでした。blog_space-9120242-3958840これ以外にも、興味深い話が盛りだくさんで、講座後のアンケートでも「ためになった」「おもしろかった」と大変な好評でした。

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次回は、12月16日、不肖、わたくし倉林が日本酒と日本人をテーマにお話をする予定です。ご都合が合えば、ぜひともご参加ください!
講座のお申込み、詳細 ▶︎ コチラblog_space-9120242-3958840クセジュ高校部責任者
倉林 洋輔

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