2024 合格者対談

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2024 クセジュ合格者対談学びが好きなるその秘訣とは?

─ 志望校合格おめでとうございます。皆さんは小学部や中1から在籍していたから、塾の思い出は色々あるでしょう。

巳年後 : 塾だから当たり前ですけれど、やっぱり授業ですね。特に国語は良質な文章(※注1)をたくさん読んで議論するので好きでした。

結城 : グループで設問に対する答えを話し合って完成させるときもあって、自分の考えが一段レベルアップする感じが良かったです。

─ 確かに国語の授業は特徴的ですね。結城さんは記憶に残っている文章はある?
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結城 : けっこう哲学的なものが多かったと思いますが、私としては「仏像」に対して熱く語られている文章がすごく印象的でした。

─ 寺の仏像の中にアジア文化のイイところが詰まっているやつね。「美」とか抽象概念についてはよくテーマにしていますよね。

志村 :
クセジュの先生方って、よくロマンとか美しさを語りますよね。
数学や理科でもテキストの内容から脱線して定理を発見した偉人の話で授業が終わったり、これは入試に出ないけど…と言いながら素粒子について延々と教えてくれたり。面白かったですけれど。

─ 脱線…ではなく、派生ね(笑)。

結城 : でも、入試問題を解いていて「この考え方、授業で聞いた」っていう場面が実際にあったから、ちゃんと役には立っていると思いますよ。

─ そう言ってもらえるとありがたいけれど、いつか役に立つはずという下心で話をしているわけじゃなく、純粋に「これを伝えたい」っていう気持ちの方が強いです。
そもそも勉強って受験のためだけでするものじゃないからね。

巳年後 : むしろ直接役に立たないように思えるからこそ、損得勘定なくのめり込めたような気がします。
歴史の授業で古代の日本にあった〝蘇(そ)〟というチーズみたいなものを先生が作ってくれたことがあって、ただ知識として教わるだけじゃなくて目の前で実践してくれるのって、すごく楽しくて教科そのものにとても興味がわくと思うんですよね。
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志村 :
そういえば、小学生のときの英語の授業でもクッキー作りしたことを思い出しました。
英語の内容に関係あったかどうかは忘れましたが。

─ なんか食べ物(※注2)ばかり作っているような…。ところでその蘇って美味しかったの?

巳年後 : 多分、失敗だったと思います(笑)。

世界遺産に出会いに行こう !

─ 授業以外ではどんな思い出がありますか?

巳年後 : サマースクールで佐渡島へ行ったこととか、先輩の受験の話を聞く会とか…いっぱいありましたね。楽しかったなぁ。

志村 : 専門家の方を招いて文房具を企画するときもあったし、中2年末の徹夜特訓も良かった。

巳年後 : そうそう徹夜!僕も参加したけれど面白かったよね。

─ 旅行系のイベント(注3)はやっぱり活きた体験をしたり、世界遺産などホンモノに触れたりして欲しいという意図がありますね。
徹夜の特訓は多くの人に申し込んでもらえるか不安があったけれど、フタを開けてみたらすごく人気があってホッとしました。

結城 : 小学生のときの自分の好きなことを調べてプレゼンする成果発表会も良かったですよ。
何人もの保護者の前で発表して自信と度胸がつきました。

─ どの企画も楽しかったでしょ。でもちゃんと学年コンセプトに基づいた目的があるんです。
例えば中2は秋から「職業紹介」「大学紹介」「高校紹介」と段階を踏んだイベントがあるけれど、期待感を持って受験生になれるように計算されていたんだよ。

結城 : 海外で働く卒業生の方にオンラインで自分がどんな仕事をしているか説明してもらうなど、かなり手がかかっていましたね。
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─ そのあたりは準備が大変だったけれど、勉強の内容だけじゃなくて、ちゃんと精神的にも成長してもらえるきっかけになるのなら、という気持ちでやっていました。

巳年後 : 徹夜もやっぱり長時間勉強をやり遂げる経験を自信にしてもらおうという意図があったんですね。

─ その通り。まあこのご時世に中3でやって受験直前期に生活リズムを崩したらマズイから、やるなら中2のうちしかないってことで(笑)。

志村 : 教室独自で遠足に行くことがたまにあったのですが、それも深い意図があったということですか?

─ 恐らくそれは先生が行きたかっただけだと思われます(笑)。240302aaa3それが真の受験生

─ 志望校については、意外にも皆さん中3になってから決まったんだったよね。

結城 : 私なんかちゃんと決定したのは10月ですからね。
やっぱり難しい問題は解けないし、すぐ諦めていたから自信が持てなかったというのもあって。

─ でも、後半は諦めず粘り強く取り組むようになったじゃない。

結城 : どうせ受からないっていう考え方はネガティブであまり賛同されないことが多いかもしれないですが、私の場合はむしろ気負いがなくなって良かったのかもしれません。

巳年後 : 僕は実を言うと、自分を鼓舞するためにトップ合格すると早いうちから宣言していたものの、直前期はちょっと鬱気味になって…。

─ 確かに不安になっていたね。でもコンスタントに成績を出していた巳年後くんでもそうだということは逆に多くの人に勇気を与えるエピソードかもね。

巳年後 : 船を漕ぎだした(注4)からには漕ぎ続けるしかないわけですが、その後は流れ着いた場所を〝ご縁〟として大切にしようと考えたら落ち着くことができました。

─ 志村くんは秋までずっとクラブチームで野球をやっていたから、勉強との両立が大変だったでしょ。240302a3
志村 : 今だから言いますが、中2までは全く勉強していませんでしたし、社会の課題問題集は解き終わっていません(笑)。

─ まあ、それはいいですよ。ちゃんと自分に必要なものを自分で判断してやれていたことは知っていましたからね。

巳年後 : そういうふうに見守ってもらえるのって、実は当たり前ではないですよね。
体育会的な塾に通っている友人の話を聞くと、直前期はほぼ毎日塾に呼ばれてガンガンやらされていたみたいです。

─ 一見手厚いように見えても、結局最後は自分で考えて行動するようにならないと先々その子自身が困るからね。

結城 : 学校の定期テストの勉強とかもそうですよね。
アレやれコレやれと指示されるのではなくて、自分で考えてやれるように中1の頃から指導されるから、必要なときだけ質問に行って解決して、あとは自分の好きに時間を使えました。

志村 : 一人ひとりの状況を先生たちが知っていてくれて、その上で自分の判断を尊重してくれたり、間違えそうなときは異を唱えてくれたりしたのが本当にありがたかったですね。

─ イイこと言う…(涙)。それが真の受験生、プロの受験生ですよ。

結城 : とはいっても、実は受験直前に長編動画を見たり、新しいマンガを買っていたりもしたんですけれど(笑)。

巳年後 : かくいう僕も、不安と言いながら1月に受験勉強に飽きて本を読んだり、本番直前までユーチューブ等を見続けていたりしました。

─そう…でしたか。逃避をうまく息抜きへ昇華させることもまた、真の受験生に必要な技術ということで理解しておきます。
240302a6b 受験生への応援メッセージ

─ では最後に一言ずつお願いします。

結城 : 私は数学と理科が苦手でした。私と同じように難しい問題に向き合っていると心が折れそうになる人も多いと思うのですが、そのときは安易に諦めないでほしいです。
そこは上手に塾の先生を頼れば、間違いなく伸びていけると思うので、これから受験生になる人は自分の目標に向かって諦めず頑張って下さい。

志村 : 自分の場合は野球という軸を手放さなかったことが、最終的な結果に大きくつながったかなと思います。
野球で県選抜に選ばれたことが勉強面への自信にもなったし、他の受験生よりも時間が少ないという意識が、やるべき場面で集中して学習する原動力にもなったと思います。
全ての人に当てはまるとは思わないですが、自分が軸にしている活動を大切にしながら受験を乗り越えてほしいです。

巳年後 : 僕は中2まで本当に自由に学ばせてもらっていました。しかし受験生ともなると競争というものを意識しないわけにもいかなくなり、何か大切なものを犠牲にしているのではないかと葛藤したこともありました。
実は今回の受験で、受験後の感触が良く、受かったと確信した学校に不合格になりました。このことは改めて受験勉強への向き合い方も含めて、もう一度謙虚に学んでいこうという気持ちにさせてくれた貴重な経験です。
受験直前期の勉強の中にも、興味深い学びはたくさんあります。そしてこれから受験生になる人たちには、まずは船を漕ぎだす人になってほしいです。

─ 皆さん今日は本当にありがとうございました。

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〈注1〉クセジュの中1・中2の国語の授業は、「罪と罰」「高瀬舟」「ハーバード白熱教室議事録」などの文章から問題提起し、議論を通じて自分の言葉で記述していくスタイルを基本としています。〈注2〉食の安全には万全を期しております。〈注3〉イベントにはサマースクールなどのように有料申込制のものと、職業紹介講座のように学年方針に基づいた指導の一環として行う無料のものがあります。〈注4〉巳年後くん流の「物事を始めること」の例えです。

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